女優の安田成美(53)は、緊急時対策室総務班・浅野真里を演じた。トイレ掃除など、現場の“お母さん”として身の回りの世話、時には落ち込む現場を鼓舞し職員を支えた。「どんなテンションでやればいいのか最初は分からず、ついていくのがやっと。
役は実際にいた方で、監督経由でお話を聞けました。女性でいろんな意味でさぞかし大変だっただろうと思い演じました」

福島第1原発の吉田昌郎所長を演じる俳優・渡辺謙(60)とは初共演。「私は2、3日シーンを撮った後に入ったのですが、緊迫感があって私語もなく、エキストラの方もピリピリしていて、謙さんに引っ張られました」。
上からの指示に反対の意を示すため、渡辺自らズボンを下ろすシーンでは「私のリアクションを撮るので、全く映らないのに、謙さんがしっかりとズボンを下ろしてくれたり、徹底してくれました」。撮影現場は当時を再現しようする情熱であふれていた。

3人の子を持つ安田は震災当日、仕事途中だったが真っ先に子供の所へ向かった。「長男は家、次男と娘が学校で。お願いだから、絶対に戻ってくるから、子供を迎えに行かせてほしいと願い出ました」。途中、究極の選択もあった。
「道が二手に分かれて、右に行けば次男の学校、左は娘の学校。どっちを先に迎えに行けばいいか迷いました」。
知人が絶対に娘を迎えに行くと信じ、遠方にある次男の学校にイチかバチかで向かった。その日の夕方、無事家族は再会したが、夫の木梨憲武は仕事のため都内に残り、安田は子供と知り合いの所へ避難した。

「日本中、世界中の方に見てほしい。考えることがたくさんある。記憶からなくしてほしくない。見るのを義務付けたい」と思いを語る。「スイッチを入れたら電気がついて、蛇口をひねれば水が出る。
今もまだそういう生活をさせてもらってることが、毎日奇跡でありがたいです」(増田 寛)

◆安田 成美(やすだ・なるみ)1966年11月28日、東京都生まれ。53歳。81年にCMデビュー。88年、第13回報知映画賞で主演女優賞を受賞。映画「そろばんずく」(森田芳光監督)で出会ったとんねるずの木梨憲武と94年に結婚。
同年10月から1年間放送のNHK連続テレビ小説「春よ、来い」のヒロインを諸事情により半年で降板も、2010年の「てっぱん」でヒロインの母親役で出演。2男1女の母。

https://news.livedoor.com/article/detail/17899090/
2020年3月2日 8時0分 スポーツ報知

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安田成美 - 風の谷のナウシカ