新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ゴルフの国内女子ツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」(3月5日から8日、沖縄・琉球GC)が無観客で行われることになり波紋が広がっている。19日に大会主催者が発表したものだが、大会の全日程が無観客で行われるのは男女を通じて史上初めて。LPGA(日本女子プロゴルフ協会)の公式HPには、大会を主催するダイキン工業、琉球放送との連名で、「2020年は東京オリンピックを控えたシーズンでもあり、できる限りの対策を講じ開催を模索してきましたが、ギャラリー、選手、ボランティアのみなさまの安全確保の観点から、無観客で大会を開催することといたしました」(抜粋)と今回の決定について理由を掲載。試合を楽しみにしていたファンに理解を求め、同3日の前夜祭、4日のプロアマ戦は中止とすることも決めた。

 今回の決定は、東京マラソンの主催財団がすべての一般ランナーの参加取りやめを決めた2日後に発表された。”右へならえ”のイベント自粛の連鎖ともいえるが、今回は猛威をふるう新型コロナウイルス感染への予防が大きな目的。妥当かつ仕方ない措置とはいえ、なぜ中止ではなく無観客での開催なのか…という疑問は残る。

 そもそもLPGAのHPでは「できる限りの対策」とあるが、実際に事態が大きく動いたのはここ数日のこと。LPGAの関係者も先日まで「具体的な話し合いはこれから。野球やサッカー、ラグビーなど他競技の動向も参考にして様子見です」としていたばかり。ツアー関係者によると、プロアマ戦に出場する予定だったゲストたちから「このご時世に開催するのはいかがなものか」「誰かが感染したらどうする?」「中止すべきではないか」などの意見が続出したが、開催を希望するLPGAの小林浩美会長が押し切ったという。

 そして「できる限りの対策」が無観客試合での開催となったのである。テレビ放送はあるとはいえ興行としては成り立たない無観客試合だが、小林会長は「選手には生活がかかっている」と訴えて開催に舵を切ったという情報もある。選手にとってはギャラリーの有無はまったく関係ない。賞金総額1億2000万円の大会の有無が最大の関心事であり、小林会長の”英断”はほとんどの選手が歓迎しているだろう。

2/21(金) 5:00配信
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