オリックス、福良GMインタビュー(前編)

1996年に日本一を達成して以来、優勝から遠ざかっているオリックス。そんなチームの復権を託されたのが、昨年6月にオリックスのゼネラルマネージャー(GM)に就任した福良淳一氏だ。就任してすぐに松葉貴大、武田健吾を放出して、中日から松井雅人、松井祐介を獲得するというトレードを成功させると、ドラフトでは高校生を積極的に指名し、育成でも12球団最多の8人を獲得。さらにオフにはメジャーの大物、アダム・ジョーンズと契約するなど、福良GMのもと、これまでにない動きを見せたオリックス。はたして、福良GMの目に将来のオリックスはどう映っているのか。

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── 8年前にヘッドコーチを務めて以来、監督、育成統括GMとして見てきたバファローズですが、今年はGMとして初めてのキャンプを迎えました。始まってみて、今のチームの空気をどんなふうに感じていますか。

「雰囲気はたしかに変わってきました。(アダム・)ジョーンズが入ったことが大きいと思いますが、それでもチーム全体にまだ、今ひとつ元気を感じませんね。せっかく若い選手が多いチームなんですから、もうちょっと活気があってもいいのかなというところはあります」

── このオフは、そのアダム・ジョーンズ選手の入団が圧倒的な話題になっています。メジャー通算1939安打、282本塁打を放った右のスラッガーで、去年はダイヤモンドバックスで37試合に出場。外野手としてゴールドグラブを4度も獲得したという、まさにバリバリの超一流メジャーリーガーです。ジョーンズが獲得できるかもしれないという話はいつ頃からあったのでしょう。

「あれはいつぐらいやったですかね。夏よりも前に可能性があるかもしれないという話があって、8月にはかなり現実味が出てきました。そこから調整に入ったんです」

── 日本の他球団の動きも気にされていたんですか。

「ウチにそういう話が来てるくらいですから他球団にもいっているんじゃないかということで、早めに動きました。その頃までのチーム状況を見ていたら、得点力不足は明らかでしたからね。どうしても(吉田)正尚ひとりに負担がかかってしまう状況を何とかしたかった。左の正尚に右のジョーンズを並べるというのは、これは魅力的ですから、獲れるものなら何としても、ということです。

どうやら大丈夫そうだという話になって、ウインターミーティングでも本人と会って気持ちを確認して、サインをするためにジョーンズが隣に座っていても、まだ最後、サインするまでは、ホンマかいな、どうなんかなという心配はしていました(笑)」

── あれほどの大物が日本に来る一番の理由はどこにあったと理解していますか。

「そこは今のメジャーの流れがあるんやないですかね。年齢がいった選手は契約がしにくくなっていて、去年のダイヤモンドバックスとの1年契約がまとまったのも3月に入ってからでしたし......イチローと話したときにも、彼は『自分がやれると思っていても年齢で見られてしまえば、もうどうしようもない』と言ってましたからね。ジョーンズにとっても、そういう流れは日本行きを決めるうえで大きかったんじゃないですか」

―― 実際、ご覧になってジョーンズ選手の動き、どんなふうに評価していますか。

「34歳でしょ。衰えている感じはまったくしませんね。全盛期と比べたら守備は落ちているかもしれないけど、それでもほかの選手と比べたらまだ遙かに上のレベルでしょ。何しろ、元が元やから(笑)」

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200217-00886360-sportiva-base
2/17(月) 16:50配信