まるでマフィアの世界だ。アストロズが2017、18年にサイン盗みをしていた問題で、首謀者だったカルロス・ベルトラン元外野手(42)=前メッツ監督=が周囲から「エル・ヘフェ(スペイン語でザ・ボス)」「ザ・キング」「ゴッドファーザー」「アルファ・メール(群れを支配するオス)」などと呼ばれ、クラブハウスを文字通り“支配”していたもようだ。当時アストロズに所属した複数の選手が11日の米サイト、ジ・アスレチックに語った。

 ベルトラン元外野手は14〜16年に所属していたヤンキースでも、ビデオ映像室の動画を利用してサイン盗みをしていたとされ、17年にアストロズへ移籍するとフロントに「サイン盗みの方法が時代遅れだ」と注進。当時のアレックス・コーラ・ベンチコーチ(前レッドソックス監督)らと共謀し、相手捕手の股間に焦点を当てた専用カメラを観客席に設置するなどの手法を確立した。 

 当時は40歳でメジャー通算435本塁打。将来の殿堂入りも取り沙汰される実績を誇り、7歳下のマキャン捕手からサイン盗みをやめるよう忠告されても無視。他の同僚たちに「俺たちはこれをやる。おまえはどうだ?」と迫り、共犯になるよう強要していたという。

 ベルトラン元外野手は昨年11月、メッツの新監督に就任したが、1月に大リーグの調査でサイン盗みの首謀者だったと伝えられた直後、1試合も指揮を執ることなく辞任。「球界で20年以上、私はリーダーであること、正しい道を進むことに常にプライドを抱いていた。だが、今回の状況では失敗した」と声明を発表していた。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200212-00010028-chuspo-base