最近、ドラマや映画などで活躍する女優の顔にはある特徴があるという。キーワードは「頬ふっくら」だという。その人気の秘密をコラムニストのペリー荻野さんが解説する。

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 近年、女子の理想の顔型といえば「小顔」だと信じられてきたが、ここへきて大きく変化してきた。ふっくらぷっくり下膨れフェイス女子の元気のよさが目立っているのだ。

 その先駆けとなったのが、日本を代表する下膨れ系、日本テレビの水卜麻美アナである。『ヒルナンデス!』時代は物産展ハンターと呼ばれてカニなどを豪快に食べまくり、『嵐にしやがれ』のゲストになったときはカルボナーラをほおばって「パスタを飲んでる」「ヘビの領域」と言われるなど伝説を次々打ち出し、昨年の『24時間テレビ』でも黄色いTシャツで総合司会をしつつ、マラソンまでしてのける張り切りぶりを見せた。出てくるだけで画面を明るくする彼女のパワーの源は何かとよくよく見れば、やっぱりパンチのある笑顔。ほっそりと頬がコケたアナウンサーにはできない、面積多め、文字通りの「満面の笑み」であった。

 そんな水卜アナに対抗すべく(?)フジテレビが送り出してきたのが、杉原千尋アナだ。『石橋貴明のたいむとんねる』で、石橋に「パグパン」「ぶり女」(杉原は富山出身)などと呼ばれる杉原は、平成7年生まれの24歳で、番組のネタが昭和歌謡などだとさっぱりついていけず、きょとんとしている。「満面のきょとん」という新たな路線(※本人は新たな路線だとは思ってないと思います)で、今後、どう成長していくか楽しみでもある。

 女優陣では、ともに朝ドラ女優となった土屋太鳳と有村架純という二大若手下膨れ系の活躍が目立つ。このふたりには貫禄さえ備わった印象だ。

 そして昨年からぐぐっと出てきた下膨れ系が、上白石萌音、萌歌姉妹である。

 大河ドラマ『いだてん』では、萌歌が伝説の金メダリスト、前畑秀子役。国民の期待を背負い、決勝のプールに飛び込んだ前畑をカメラが正面から追う。水泳帽で髪をまとめているため、しっかりフェイスラインがわかる水中丸顔アップに、奮闘ぶりがリアルに出た。その萌歌は、まもなく放送されるNHKBSプレミアムドラマ『ファーストラヴ』で父親を殺した女子大生という難役を演じる。うつむきがちの「満面憂い顔」にも注目したい。

 一方、萌音はドラマ『恋はつづくよどこまでも』で、高校時代、偶然出会った医師の天堂(佐藤健)に恋した新人ナース佐倉七瀬に。「あの日、見えたんです。道が。先生へと続く道が」と、いきなりそう言われても困るような熱烈告白をするものの、病院内で「魔王」と呼ばれる完璧主義者の天堂は、お前を相手にする確率は「0.0001パーセントもない!」と嫌な顔をし、どうするのかと思ったら、七瀬の頬を片手でむぎゅっとすしぼめてしまった…。自慢の(かどうかは知らないが)下膨れほっぺをしぼめられてはひとたまりもない。魔王は弱点をよく知っているのである。

 癒し系とは一味違う愛され顔の彼女たち。『女の一代記』など大きな作品では、30代でも女学生姿になることも多い。その点、童顔に見られがちな下膨れ系なら、違和感なし! 強みを活かして、幅広い作品に進出してもらいたい。

2/12(水) 7:00
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