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東京目黒区青葉台にある「東京目黒 美空ひばり記念館」がいま、消滅の危機に瀕している。美空ひばりがかつて暮らした居宅を使ったメモリアル施設が、14億円で土地ごと売りに出されていると噂されているのだ。
背後にあるのは、ひばりプロダクションの社長でひばりの養子である加藤和也氏の借金苦。約13億円を投じた「京都嵐山ひばり座」は赤字を垂れ流し、閉館へ。以降、加藤氏の会社の資金繰りは悪化していた。

 国民的歌手と讃えられた彼女の「聖地」は売り飛ばされ、消えてしまうのだろうか。加藤氏ご本人が答える。

「最初にお話ししておきますが、記念館の売却話はなくなりました。売らないことに決まったのは、つい先日のことです。アサックスから高利の融資を受けていたのは、以前から進めていた事業計画が銀行の審査を通らなかったため。それが、ここに来て銀行が事業計画を認めて貸してくれることになったのです。もうひとつの金融業者から高利で2千万円を借りたのは、銀行から融資が出るのが年明けになってしまうから。従業員の給料とか税金を払わなくてはいけないので、一時的に借りただけです。苦しいところを乗り越えられたので、正直ホッとしているところなんです」
 それにしても、元「マネーの虎」にしては綱渡りの資金繰りである。美空ひばりが残した遺産ではやりくり出来なかったのだろうか。

「やはり、一番厳しかったのは、『京都嵐山ひばり座』の借金でした。あそこはつぎ込んだお金が全部出て行ったという感じです。だから、資金繰りが苦しいのは昨日今日のことではありません。本来、芸能プロは、現役の歌手がどこかで歌ってくれているから収入がある。しかし、ひばりプロダクションの場合はそうではない。これまでは会社の資金が足りなくなると自分の個人資産を貸し付けてやりくりしてきました。目黒の美空ひばり記念館も、ファンの方に残念な思いをしてもらいたくないからやっているんです。儲けるためではないんです。しかし、それも限界に来ていたというのはあります」

 そんなピンチもようやく切り抜けたと、加藤氏は言うのだが、さる金融関係者によるといまだ予断は許さない。

「新たな事業と言ってもどこまで実現性があるのでしょうか。しかも、売却話は無くなったわけではありません。記念館の売却がなくなったというのは14億円という売値が高すぎるからで、あの家は元ひばり邸というプレミアムを乗せても、せいぜい10億円くらいが相場。実際、交渉のテーブルについた会社もあったようですが、高すぎる価格のせいで宙に浮いているというのが実際のところです」
 本当に銀行の融資が決定したのか、改めて本人に質すと、「まだ審査中です」と答えが変わってしまった。

「和也さんは金利の支払いなどでクビが回らなくなっており、売却と並行して伝手のある信金などに借り換えの打診をしていました。ただ、このまま銀行の融資がつかなければ、御殿の売却価格を下げてでも売らざるを得なくなるでしょうね」(金融関係者)

 加藤氏によると、新ビジネスの概要は間もなく明らかになるという。国民的歌手の「聖地」は安らかなのか、それとも消滅してしまうのか……。すべてはその内容にかかっている。
https://youtu.be/nOLuI7nPQWU
https://www.dailyshincho.jp/article/2020/01131100/?all=1