【注目の人 直撃インタビュー】

 原 晋(青山学院大学 駅伝部監督)

 ◇  ◇  ◇

 青山学院大学駅伝部は「2020年1月2、3日の箱根駅伝で優勝を逃すだろう」が定説になっている。その要因のひとつに10月14日の出雲駅伝の<5位>という成績が挙げられる。青学大は箱根駅伝を初制覇した2015年以降、3大学生駅伝の成績が【出雲駅伝@@A@D全日本大学駅伝A@B@A箱根駅伝@@@A】と今回の出雲の5位までは、2017年全日本の3位がワースト記録だった。それだけに<出雲5位>という数字が、ことさらにクローズアップされて「青学大は弱体化した。箱根で優勝は争えない」というマイナスイメージで捉えられているのである。青学大の時代は終わったのか? それとも箱根駅伝を制して健在ぶりをアピールするのか? 青学大駅伝部の原晋監督を直撃した。

  ◇   ◇   ◇

 ――箱根駅伝が目前に迫った。青学大は優勝しますか? 惨敗しますか? 本音を聞かせてください。

 世間の捉え方と私の見立ては違います。箱根駅伝優勝に向けて順調と言わせていただきます。前回大会の主軸だった4年生5人が春に卒業し、新体制になると新4年生が何人か退部しました。残った4年生を含めた部員全員に<箱根駅伝に全身全霊を傾ける覚悟>が備わりました。

 ――10月14日の出雲駅伝が5位。11月3日の全日本も優勝を逃して2位に終わった。監督や選手はネガティブにとらえることはなかったのですか?

 5月に長野・菅平で合宿を張り、夏合宿を経て選手は<戦える集団>になりました。出雲は結果的に<近年の青学大には似つかわしくない>5位に終わりましたが、4区では先頭に立つこともできましたし、チームに足りなかった経験値がアップしました。たとえば出雲のアンカーとして悔しい思いをした中村友(4年)が、全日本の6区で4人抜きの好走を見せました。11月23日の記録挑戦会の1万メートルでは28分31秒68を出して自己記録を更新。これは今季部内トップです。同じ4年では主将の鈴木や吉田祐も頑張っている。エントリーメンバーは学内トライアルでも、ここ5年間きっちり結果を残してきた先輩たちのタイムと遜色ない数字を叩き出しています。私たちにはネガティブな雰囲気はありません。箱根で勝つ! という流れに乗っています。

 ――恒例となった作戦名を<やっぱり大作戦>と名付けた。

 箱根を制して「やっぱり青学は強い」「やっぱり青学を応援してよかった」と言ってもらいたいと思っています。初優勝したときに<ワクワク大作戦>と名付けたのですが、初めて優勝の手ごたえを感じてワクワクしていたときと今、同じ気持ちで箱根駅伝の本番を迎えようとしています。

 ――2年続けて5区の山登りを担当した竹石選手(4年)の調子が上がらないのでエントリーメンバー外に。苦渋の決断を下した。

 竹石本人から「調子の良い選手を使ってください」という申し出がありました。状態の良い選手を選ぶことで選手たちのモチベーションが上がります。(竹石不在と)割り切ることでチームに一体感が生まれました。

続きまーす
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200101-00000002-nkgendai-spo