ジャーナリストの伊藤詩織さんが、姓を伏せて名前と顔を公開し、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開き、性被害を明らかにした日から2年あまり。

12月18日の東京地裁判決は、元TBS記者のジャーナリスト・山口敬之さんが合意のないまま性行為に及んだと認定した(山口さんが控訴)。

判決後の会見で伊藤さんは「全てはもしもの話」としながら、今の日本の刑法の問題に触れた。「日本の刑法に不同意性交がレイプだという規定があれば、私が経験したことも刑事事件では結果が変わったかもしれない」。

●警察官「よくあることだし、やめときなよ」

今回民事裁判で「合意のない性行為」が認められながらも、なぜ、伊藤さんの事件は刑事事件で不起訴処分となったのだろうか。

伊藤さんは被害から数日後に警察に相談した際、担当した警察官から「よくあることだし、やめときなよ」と言われたという。

警察官は、防犯カメラの映像など他に証拠が出てきても、捜査に消極的だった。伊藤さんが「なぜですか」と尋ねると「検察官からこうしたケースは起訴できないからやらないでほしいと言われている」と告げられたそうだ。

性犯罪は密室で起きることが多く、被害後に体液などの証拠も残っていないことが多いが、代理人の西廣陽子弁護士は会見で、「証拠が少ないからといって門前払いして欲しくない。まずは被害者の話を聞き、ある証拠をもって、どんどん捜査してほしい」と述べている。

証拠を集めて捜査するのは、被害者ではなく捜査機関だ。西廣弁護士はいう。

「今回の事件も、証拠がすごくたくさんあるわけではない。その中で、審理がなされると、真実が浮き彫りになるという裁判だった。やるべきことを捜査していただければ(ほかの性犯罪事件でも立件に)繋がるのではないかと思う」

つづく

12/30(月) 16:01配信
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