1951年の放送開始から今年で70回目を数え、令和初となるNHK紅白歌合戦が最大の危機を迎えている。

大みそか当日、まさに真裏で放送される『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで! 絶対に笑ってはいけない青春ハイスクール24時!』(日本テレビ系)に
元SMAPの稲垣吾郎、草g剛、香取慎吾の3人がスペシャルゲストとして出演するからだ。この事態に慌てふためいているのがNHK上層部だという。

「当初、元SMAPの3人は企画枠での紅白出演が有力視されていた。稲垣、香取、草gの3人は東京五輪・パラリンピックの特別親善大使を務めている。
大義名分は十分だった。だが、土壇場になって上層部がジャニーズ事務所に忖度し、出演は見送りになったんです。

今年の紅白には嵐、関ジャニ∞、Kis−My−Ft2、King&Prince、Hey!Say!JUMPなど5組が出演する。
今後のNHKにとってジャニーズは経営戦略上のパートナーとして、絶対に外せない存在ですから」(NHK関係者)

紅白出演が叶わなかった元SMAPの3人が、まさかの刺客となって紅白に襲いかかって来た格好だ。
日テレサイドは香取、草g、稲垣の3人をパート出演ではなく、全編に渡り歌やコントなどで登場させるという。

「まさに紅白潰しですよ。3人揃って地上波キー局の番組に出演するのは“ガキ使”が初。
ノリノリで物凄く高いテンションで収録に臨んだそうです。NHKサイドも“逃がした魚は大きかった”と後悔していると思います」(日本テレビ宣伝関係者)

本来ならば、1年の最後を締めくくるお祭り番組としてNHK局内は大盛り上がりしているはずなのに、今回ばかりは多少雰囲気が違う。

「制作スタッフらは気色ばみ、幹部らが一同に会する制作運営会議では演出や構成のあり方を巡って怒号が飛び交っている。
こんな殺伐とした雰囲気はこれまで経験したことがありませんよ」(事情通)

理由は局上層部から内々に番組スタッフらに伝えられた目標視聴率にある。
「昨年の前半視聴率37.7%、後半41.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯別リアルタイム視聴率)超えを命じられているんです」(制作関係者)

ここまで具体的に指示が出ている背景には、NHKの政治的事情がある。

「今年度中に悲願とするテレビ番組のインターネット常時同時配信を実現するためです。しかし、総務省から待ったが掛かり、結局、来年4月に持ち越しとなった。
年間約7000億円に上る受信料収入をネット業務につぎ込めば、テレビ界で圧倒的な地位を確保できる。
そのためにもNHKの番組は国民から視聴され、支持されているという証左が欲しい。紅白はまさにうってつけの番組なわけです」(前出・NHK関係者)

ところが、今回の紅白は昨年の視聴率を大幅に下回る可能性が指摘されているのだ。

前述した刺客となった元SMAP3人組の存在に加え、紅白全体を貫く目玉演出の中身がブレブレ。
加えて、大河ドラマ『麒麟がくる』のPRなど、いまだにキャスティング調整で揉めているのだ。

「紅白は、新年から放送される大河ドラマのPRの場として定着していた。だが、重要役だった沢尻エリカが麻薬取締法違反で起訴され、代役に川口春奈が起用された。
スタッフが頭を抱えているのは川口の扱いです。審査員、あるいは紅組の応援団…。
どこで彼女を出せばいいのか、それとも起用しない方がいいのか…本当に紅白始まって以来の危機ですよ」(放送作家)

そんな中、NHKサイドが目玉企画と太鼓判を押しているのが、X JAPANのYOSHIKIと世界的な米ロックバンド・KISSのコラボ。
そして、作詞家・秋元康、デザイナー・森英恵、歌手・天童よしみらが参加して30年ぶりに美空ひばりの新曲制作を実現した『AI美空ひばり』のお披露目だ。

「『AI美空ひばり』は9月のNHKスペシャル『AIでよみがえる美空ひばり』で放映済み。既視感がある。
何度もメディアに露出していてサプライズ感はゼロ。AIで高視聴率を取れるのか? 甚だ疑問ですね」(音楽プロデューサー)
https://wjn.jp/article/detail/1457166/