昨年の紅白では紅組の前半トリを務めた島津亜矢

 来年1月3日、東京ドームで開催されるアメフト日本一決定戦「第73回ライスボウル」で、「君が代」独唱を演歌歌手の島津亜矢(48)が務めることが発表された。芸能デスクが話す。

「今年はミュージカル界の歌姫・新妻聖子(39)が観衆を魅了した。東京ドームでの独唱は、歌い手の力量が最も試される舞台。現在の演歌界で随一の歌唱力を持つ島津は適任でしょう」

 島津は1986年、15歳でデビュー。「愛染かつらをもう一度」(91年)などのヒット曲はあったが、NHK紅白歌合戦出場までは15年を要した。2度目の出場まではさらに14年。

「この2度目の紅白(2015年)が転機となった。熊本弁で歌う『帰らんちゃよか』で示した圧倒的な歌唱に絶賛の声が続出。芸人のマキタスポーツが『歌怪獣』と名付けたこともあって、若年層にも認知された」(音楽記者)

 と同時に、演歌だけではない島津の側面も注目された。10年に第1作を出したカバー曲のみのアルバム「SINGER」シリーズはこれまで6作を数える。

「カバーアルバムを出す歌手は多いが、島津ほど選曲が幅広い歌手はいない。松田聖子からプレスリーまでド迫力で歌いこなす。今年9月にはカバー曲のみのコンサートを開いたほどの人気」(同前)

 だが、この“日本一のカバー歌手”の側面が、島津にある種の悲哀をもたらしているという。今年も5年連続6度目の紅白出場が決定したが、近年、持ち歌を歌えていないのだ。

“日本一のカバー歌手”の悲哀

「昨年までの3回で歌ったのは『川の流れのように』(美空ひばり)、『The Rose』(ベット・ミドラー)、『時代』(中島みゆき)といずれもカバー曲。特に昨年の『時代』は、平成最後の紅白にふさわしい選曲も相まって、本人のHPがアクセスしづらくなるほどの反響を呼んだ。が、その年に出した自分の曲を歌えないのは、やはり本人としては複雑なものがあるでしょう」(前出・芸能デスク)

 ちなみに昨年の日本レコード大賞では「SINGER5」が企画賞を受賞、披露したのは宇多田ヒカルの「First Love」だった。

 紅白の選曲は、あくまでNHK側に主導権があるといわれる。

「それは『津軽海峡・冬景色』と『天城越え』を交互に歌わされる石川さゆりを見ても明らか。NHKとしては、かつての小林幸子の豪華衣装のように、島津のカバーソングがもつ威力を紅白名物にしたいのでしょう。本人の意向はともかく、NHKが方針を変えることは考えにくい」(同前)

 強すぎるがゆえ、哀愁を背負う怪獣。

12/18(水) 11:30配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191218-00018968-bunshun-ent