前日16日に谷本球団副社長兼本部長が可能性を語った来季の助っ人8人体制が、年内にも固まる見通しとなった。退団濃厚なジョンソン、ドリスに代わるリリーフは剛速球右腕のエドワーズだ。
196センチの長身から150キロ超のストレートにスプリット、カーブを駆使して三振を奪うスタイル。日本球界からも高い評価を受け、阪神も獲得調査を進めていた。その人生は波瀾万丈だ。
2006年に外野手としてカージナルス入り。しかし、4年間で芽が出ず、10年限りで自由契約となった。独立リーグで浪人生活を送っていた11年に投手に転向。これが成功し、同年オフに投手としてレンジャーズとマイナー契約した。そして14年についにメジャーデビュー。この年はリリーフで9試合に登板した。
ところが好事魔多し。同年オフに精巣がんが発覚し、手術を受ける。その後は故障もあって、17年には再び所属先なしの浪人生活。しかし、18年にインディアンスとマイナー契約して、またグラウンドへ戻ってきた。今季はメジャーで9試合に登板して2勝0敗、防御率2・25。3Aでは41試合に登板して6勝1敗7ホールド、3セーブ。防御率4・22も、62三振を奪っている。
がんを克服して再びプレーした点は、原口と同じ。何度も自由契約となりながら、不屈の精神でメジャーのマウンドに舞い戻ってきた姿は「諦めない」をスローガンの一つに掲げる矢野監督の方針とピタリと一致する。現在のタイガースのチームカラーに、スムーズになじむに違いない。
球団はすでに今季在籍したガルシア、マルテ、呂彦青と契約を更改。新たに「4番・一塁」の最有力候補としてメジャー通算92発のジャスティン・ボーア内野手(31)=前エンゼルス、先発要員としてジョー・ガンケル投手(27)=前マーリンズ3A=を獲得した。この日、今季の韓国打点王、サンズの獲得が決定的なことも判明。リリーフとしてロベルト・スアレス投手(28)=前ソフトバンク=の獲得調査も本格化させており、エドワーズ、スアレスと契約合意となれば、2002年の7人を上回る、球団史上最多の開幕助っ人8人体制が固まる。
この日、球団は大阪市内の電鉄本社で藤原オーナーに定例の報告会を行い、助っ人との交渉の進捗状況などを説明したとみられる。一気に5人の新助っ人を獲得し、15年ぶりのリーグVへ。フロントも、来季へ向けて着々と準備を進める。
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