12/10(火) 19:15配信 motorsport.com 日本版
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 12月9日(月)、世界反ドーピング機関(WADA)はロシアの組織的なドーピング問題について、2020年東京オリンピックや2022年FIFAワールドカップ(サッカーW杯)などを含む主要な国際スポーツ大会への4年間の出場禁止などの処分を科すことを決定した。

 この処分はWADAが主要なイベント団体とみなす全ての組織に適応される。F1世界選手権を統括するFIA(国際自動車連盟)もWADAの公認団体であるため、ロシアGPも今回の処分対称のイベントとなる。つまり、ロシアGPが開催できない可能性があるのだ。

 WADAの声明によると、ロシアに言い渡された罰則は明確だ。今後4年間、ロシアは主要なイベントを誘致することも開催することも禁じられ、前述の通り出場も不可能になる。

 なおロシア側には、この処分に対する21日間の控訴期間が残されており、控訴を行なう場合はスポーツ仲介裁判所(CAS)に判断を委ねることになる。

 また、既に開催が決まっているイベントについても法的理由などがない場合は権利が剥奪される、とされている。しかし、ロシアGPのように既に契約を結んでいるようなイベントについては適用が除外される可能性があり、予定通り開催される可能性も残されている。

「今後4年間、主要イベントを招致する権利がロシアに与えられているならば、法律上、または事実上不可能な場合を除き、契約者はその権利を辞退し、別の国でのイベントに振り分けなければならない」と、WADAは声明の中で語っている。

 ロシアGPのオーガナイザーであるRosgonki社は、法的、技術的にも開催地を移すことは難しく、レースが中止される状況にはないと話している。

 motorsport.comへ寄せられた声明文には次のように記されている。

「フォーミュラ・ワン世界選手権のロシアラウンドの契約は、WADAによって調査されるよりも前の2010年に契約されたものだ。契約は2025年まで有効であり、FIAの2020年の開催カレンダーにはロシアラウンドが含まれている」

「仮に上訴した後でも、主要イベントの中止に関するWADAの文言は同じままであり、F1ロシアGPを指している。しかし法的、技術的にF1ロシアGPを中止し、他国へ開催を移行できる可能性は存在しない」

「我々は2020年以降もロシアGPが開催されることを確信している。我々はみなさんをソチへ招くし、チケットの販売も進んでいる」