元プロサッカー選手に高い神経変性疾患リスク


単なる運動を越えてレクリエーションにもなるスポーツの健康に及ぼす好影響が指摘されているのだが、最近の研究からは気になる報告もある。
元プロサッカー選手はアルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患での死亡リスクが高まるというのだ。

英・グラスゴー大学、クイーンエリザベス大学をはじめとする合同研究チームが2019年10月に
「The New England Journal of Medicine」で発表した研究では、スコットランドのデータベースに登録された
元プロサッカー選手7676名を追跡調査してその死因を一般人2万3028名と比較している。

収集したデータを分析した結果、元プロサッカー選手は神経変性疾患因死亡リスクが高く、
特にアルツハイマー型認知症リスクでの死亡リスクは一般人の5倍に高まるというショッキングな数値が導き出されたのだ。

引退後すぐに元選手の体調にネガティブな変化が起きるということではなく、70歳までは元選手のほうが一般人よりも総じて健康であった。
しかし70歳を超えると元選手の死亡リスクのほうが高まり、特に神経変性疾患因死亡リスクはきわめて高くなったのだ。

ラグビーやアメリカンフットボール、あるいは格闘技種目ほどではないにはせよ、サッカーにおいてもゲーム中にはそれなりに身体接触を伴う。
加えてヘディングの脳への影響は今日でも引き続き懸案事項になっている。

2002年に逝去した元プロサッカー選手のジェフ・アストル氏は、現役時代にヘディングをし過ぎたために
脳にダメージを受けていたのだと一部から指摘されており、ヘディングが脳に与える影響について現在も研究は続けられている。

運動は総じて健康に資するものだが、脳に衝撃を伴うプレイはやはり懸念材料ではある。
身体接触を伴う競技種目は人気が集まるが、健康目的に行うスポーツであれば種目選びは慎重になったほうがよいのかもしれない。
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