ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)の次戦の相手候補に急浮上しているのが、WBOタイトルを統一したジョンリル・カシメロ(フィリピン)だ。5日まで都内で行われていたWBO総会でマッチメーク実現の機運も高まっていたが、フィリピン地元紙は交渉について、一歩後退とした上で「ウーバーリ戦の可能性」とWBC王者との統一戦を報じている。

“11秒KO男”ゾラニ・テテ(南アフリカ)との団体内統一戦を制したカシメロと井上の3本のベルトをかけたビッグマッチ実現に注目が集まる中、フィリピン地元紙「インクワイアー」は「残念、イノウエはまだ準備ができていない」と見出しで特集している。

 カシメロと契約する「MP(マニー・パッキャオ)プロモーションズ」のマッチメーカー、ショーン・ギボンズ氏も今回の総会のために来日。直接交渉の行方に注目が集まっていたが、3団体統一戦の開催へ前進しなかったようだ。

「イノウエは完治を優先したいのこと。それが結論だ」とギボンズ氏は語ったという。

 井上は11月のワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)決勝のノニト・ドネア(フィリピン)戦で右目の眼窩底と鼻骨骨折という重傷を負っていた。回復を待つ方針で、記事では「トップランク社は予定されていた交渉は進まなかったと言っている」とも報じている。

 テテ撃破後に「イノウエと戦いたい。モンスター、出てこいや!」と挑発していたカシメロ。対して井上も自身のツイッターで前向きに反応したことから、WBAスーパー、IBF、WBOの3団体統一戦実現の機運は高まっていたが、今回の交渉で進展が見られなかったことで、別の王者がモンスターの次戦の相手に浮上したとみている。

次戦の相手に再度浮上したのは弟を破ったウーバーリ

 記事では「イノウエは次戦でWBC王者ノルディ・ウーバーリと対戦する可能性も高まってきた」と報じている。

 ウーバーリ(フランス)は11月のダブル世界戦で暫定王者だった井上の弟・拓真(大橋)を判定の末に倒した因縁の相手。井上自身もWBSS決勝のリングで弟のリベンジを宣言していた。

 ウーバーリは、次戦でルイス・ネリ(メキシコ)とエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)戦の勝者を指名挑戦者に迎えるはずだったが、ネリの体重超過で試合自体が中止となったために、次戦の相手は白紙状態だ。

「しかし、トップランク社はイノウエ対カシメロは次かその次に実現すると確約している」とも記事では報じている。

 ウーバーリを倒した後、カシメロとの夢の4団体統一戦に挑むことになるのか――。井上の次なる動きに海外メディアも熱い視線を注いでいる。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191207-00096772-theanswer-fight