沢尻が持っていたのは通称「ピュア」

 沢尻エリカ(33才)は11月16日土曜日の早朝、自宅に合成麻薬「MDMA」を所持していたとして、警視庁に麻薬取締法違反容疑で逮捕された。その前夜、沢尻は「音箱」として知られる東京・渋谷のクラブ「W」であったパーティーに参加し、4階のVIPフロアで朝まで飲み明かした。
沢尻の知人は「連日のNHK大河ドラマの撮影で忙しかったが、その翌日はたまたまオフだった」と明かす。帰宅と同時に捜査員の職務質問を受け、家宅捜索の結果、自宅から2つのカプセルに入ったMDMAが発見された。

 メチレンジオキシメタンフェタミン、いわゆるMDMA。強い幻覚作用と興奮作用を併せ持つ麻薬で、経口服用の錠剤型が多用される。「エクスタシー」「バツ」などの通称で知られ、対人親密感や共感、性的感覚が興奮する効果があるという。

薬物犯罪を取り締まる厚労省・警視庁などの統計によると、MDMA押収量はピーク時の2007年で約127万錠あったが、2014年は608錠まで落ち込んだ。しかし近年は再び急増傾向にあり、2018年は前年の4倍となる約1万2300錠が押収された。違法薬物に詳しいジャーナリストが話す。

「沢尻容疑者が所持していたのは錠剤ではなく、粉末状でした。これは最近、日本でも流行っている通称『ピュア』。MDMAの良質な成分だけを結晶させたものです。これを風邪薬などのカプセルに入れて経口摂取します。

 ピュアの効き目は2時間くらいで、副作用が少ないとされます。一度の使用量は0.1g程度で、末端価格は3000〜5000円。どれだけお酒を飲んでいても一発でシラフに戻れて、ハイテンションな状態を保てるとされます」

 沢尻は警察の調べに対し、MDMAは交際相手から10月中旬のイベント会場でもらったと供述。さらに、沢尻は大麻、LSD、コカインを10年以上前から使用していたとも話しているようだ。

「沢尻がペラペラと余罪をしゃべるのは、“いろいろ自分は経験したが、覚せい剤だけはやってない”ということを暗に言いたいんでしょう。

 覚せい剤は中毒性が高く、人間として堕落する印象がある。注射器で体に刺すことのイメージも悪い。それに比べ、大麻やMDMAはファッション感覚。“おしゃれなドラッグ”をやって、ちょっとアンダーグラウンドな自分に酔っている部分もあるのでしょう」(前出・ジャーナリスト)

 さらに沢尻は、「有名人が薬物事件で逮捕されるたびに、私も危ないんじゃないかと注意していた」という趣旨の供述をしているという。なぜそのような危機感を持ちながら、10年以上も薬物を使用し続けていたのか。

「やっぱり芸能人はカネを持っているし、格好のカモ」と言うのは、違法薬物の売買にかかわったことのある暴力団関係者だ。

「芸能人が逮捕されるたび、薬物に手を染めた理由は、“浮き沈みの激しい芸能界のプレッシャーに耐えられなくて”とか、“心の寂しさを埋めるため”とか言われます。かわいそうと同情する人もいる。

 でも、厳しい世界で働いてる人なんて、ほかにもいくらでもいませんか? そんなの言い訳にもなりませんよ。

 彼らをクスリに走らせるのは、特権意識です。一般人が乗れないような外車に乗るのと一緒。自分は“特別な存在”で、一般人とは感覚が違う。芸能人やるならクスリぐらいやってもいいでしょ。そうやって正当化するんです。

 彼らは周りからちやほやされて、多少のわがままなら許される環境にある。常に自分が特別扱いされているから、どんどん麻痺していく。ああ、自分は何をやってもいいんだって。ある意味、カネを持ってて、勘違いしているから、“いいお客さん”なんですよ」

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