大幅な年俸アップにも「ちょっとお金が増えたかな」と、中村らしい言葉で表現し、笑顔をのぞかせた。今季は8月11日から不振の山川に代わり4番を務め、チームをけん引。リーグ2連覇に貢献し、123打点で4年ぶりに4度目の打点王に返り咲いたシーズンに「打点王のタイトルも獲れたし、リーグ優勝もできたし、それなりにチームに貢献できたかな」と充実感をにじませた。
来季に向けては「頑張ります」と控えめに話したが、胸の内に秘めた思いがある。「本塁打王を獲りたい」――。現役最多の6度の本塁打王を誇る主砲は今季、劇的なサヨナラ弾で史上20人目の400本塁打を達成。4本の満塁本塁打を放つなど、4年ぶりに30本塁打の大台に到達したが「今年に関しては、(本塁打への)こだわりが薄れていた部分がある」と言う。
シーズン終盤はチームの勝利のため、好機では、状況に応じた打撃も見せた。だが、本塁打へのこだわりを捨てるわけにはいかない。チームには2年連続本塁打王の山川がいるが「誰よりも本塁打を打つ。それが一番」と力を込めた。
一方で4番については「4番へのこだわりはとっくに捨てている。言われたところで結果を残すだけ」ときっぱり。疲れを取りながらも19年目のシーズンに向け体づくりを開始する。「3連覇を目指してやりたいと思うし、1年間しっかり戦力になりたいと思う」。高いレベルで山川とキング争いを繰り広げれば、それはチームの勝利へとつながる。(武本 万里絵)
《現役最多6度》○…中村(西)が来季本塁打王を獲得すれば5年ぶり7度目となる。本塁打王獲得回数最多は王貞治の15度で、野村克也の9度が2位。中村は6度で3位につけている。また、ブランク記録は藤村富美男(神)の13年ぶり=36秋、49が最長。以下、山崎武司(中→楽)11年ぶり=96、07、川上哲治(巨)8年ぶり=40、48、ラミレス(ヤ→巨)7年ぶり=03、10年、門田博光(南海)5年ぶり=83、88年となっている。
https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2019/12/03/kiji/20191203s00001173018000c.html