賀来賢人(30)主演のドラマ『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』の数字が振るわない。
初回の平均視聴率は7.8%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)だったが、徐々に数字を落とし第6話は6.4%に。

さらに11月24日の第7話では6%まで落ち込んで、この秋クールの負け組ドラマになってしまった。
井浦新(45)に広末涼子(39)と豪華キャストがそろったのに、どうして失速してしまったのか。

まず1つめの理由は、話の複雑さ。このドラマはとにかく難解なのだ。

「疑い」「裏切り」「秘密」連発のミステリーで、謎がどんどん深まる作りになっている。
ミステリーとしての面白さはあるのだがあまりにも難しくて、それを味わう前に見るのをやめてしまう人も少なくない。

SNSでは「もうダメかも。ついていけない」「話のスケールデカすぎてついていけない」という声も散見された。

それもそのはずで、10億円強奪事件の真犯人は清春(賀来賢人)の上司で謎の死を遂げた碓氷(広末涼子)だったり、
その犯行動機に半グレ集団にベルムズや、謎の組織であるニッポンノワールと複数の組織が関わっているようだったりと、
とにかく複雑すぎるうえに分からないことが多い。ついていけない人続出なのも、納得だ。

2つめの理由は設定。このドラマは菅田将暉(26)主演で人気を博した『3年A組-今から皆さんは、人質です-』の設定を引き継いでいるとのことだ。
確かに『3A』の登場人物、甲斐隼人役の片寄涼太(25)、熊沢花恋役の堀田真由(21)らがちらっと顔を出しているが、ストーリーには関わってこない。

そもそも『ニッポンノワール』に彼らが登場する必然性が感じられず、逆にドラマをより分かりにくいものにしてしまっている。
『3A』の半年後から話がスタート、という設定で『3A』ファンを引き込んだはいいものの、登場人物の変化や成長はほぼゼロ。
あのキャラがこんなふうになったという、続編ものにある感動がなく、『3A』ファンの多くは失望してしまった。

3つめの理由はドラマの構成だ。同じミステリーの『3A』は熱心に見ていたけれど、『ニッポンノワール』は見ていないという話はよく耳にする。
というのも、同じミステリーでも『3A』と、この『ニッポンノワール』は作りがまるで違うのだ。

『3A』は“熱い学園ドラマ×謎が謎を呼ぶミステリー”という新しいパターンで人気を博した。
タテ軸となるメインの謎はありながらも、1話で1つ謎が解けて全貌に迫っていくという分かりやすい作りで視聴者を引っ張り、最高平均視聴率で15.4%を記録した。

一方で『ニッポンノワール』は、毎回、新たな謎が出てくるという、真逆の構成となっている。
これも、同様のミステリーを期待していた『3A』ファンから、そっぽを向かれてしまった理由だろう。
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