日本高野連は29日、大阪市内で理事会を開き、来年の第92回センバツ高校野球大会(3月19日から13日間・甲子園)を含む春季大会から、高野連主催大会期間中の1週間で1人の投手が投球できる総数を500球以内とする球数制限の導入などを全会一致で承認した。来季から申告敬遠を適用することも決まり、球数には含まれない。原則として3連戦を回避する日程を設定し、国体は2021年の三重国体から実施を目指す。

 球数制限は500球となる打者完了まで投球可能とし、ノーゲームや再試合になった場合の投球数も含む。来春から3年間は試行期間とし、高校野球特別規則に付記してルール化するが、罰則は設けない。日本高野連の八田英二会長は「3年間猶予を見てゆっくり、というのは念頭にない。喫緊の課題。ペナルティーはないが、守っていただきたい、という強いお願い。(500球が)緩すぎるという意見があれば、再検討しなければならない」と説明した。

 3年後の見直しに向けて、都道府県連盟から夏の地方大会で全ての投手別投球データを収集する。甲子園大会と同様に、地方大会でも可能な範囲で準々決勝、準決勝後に登板した投手の関節機能検査実施を検討する。

 そのほか、来年4月から加盟校は野球部員のスポーツ障害の有無に関する情報を指導者と野球部員、保護者と共有するため健康調査票を活用していくことなどが決まった。

 昨年12月に、新潟県高野連が1試合100球とする独自の投球数制限導入を決めたこと(のちに見送り)をきっかけに、日本高野連は「投手の障害予防に関する有識者会議」を発足させ、4月から11月まで全4回の会合が開かれた。加盟校の課題として週1日以上の完全休養日を導入し、より積極的に複数投手を育成するよう留意すること、野球界全体で取り組むべき課題として指導者ライセンス制を検討することなどの答申をまとめた。

11/29(金) 20:14配信
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