これまでメジャートーナメントに縁のなかったフィンランド代表がついに欧州選手権(EURO)出場を決め、国中を上げて大フィーバーとなっている。フィンランドは現地時間15日にリヒテンシュタインに3-0と勝利を収め、同予選グループJで2位での本大会初出場を確定させた。

 これまでEUROもワールドカップ(W杯)も出場経験のなかった小国に、ついに歴史的瞬間が訪れた。

 勝てば文句なしで出場権獲得という状況で迎えたホームでのリヒテンシュタイン戦で、フィンランドは前半21分にFWヤッセ・トゥオミネンのゴールで先制。後半にはエースのFWテーム・プッキがPKを含む2得点を追加し、3-0で快勝した。グループJでは9試合を終えてイタリアが勝ち点27で首位を独走していたが、フィンランドは同18を獲得。残り1試合で3位ギリシャとの勝ち点差が「7」となり、予選突破が決まった。

 英公共放送「BBC」によれば、フィンランドはW杯とEUROを合わせ、計32度の予選敗退を味わってきたが、その不名誉な記録についに終止符を打ったという。同局ではフィンランドのジャーナリストやファン、そして首相に至るまで、各方面からの歓喜の声を報じている。

 フィンランドのスポーツ誌「ELMO」の記者、トピアス・カウハラ氏は「感情的な瞬間で涙するなんて、フィンランドのフットボール界では見たことがなかった。一生に一度の出来事だ」と貴重な瞬間に立ち会った喜びを表現。「スポーツでの偉業だが、我々は非常に小さな国だけに世界中に知ってもらえることができて本当に幸せ」と小国の快挙を誇った。

 さらに同国の首相アンティ・リンネ氏もツイッターで「素晴らしいパフォーマンスだ。おめでとう、そしてありがとう」と代表チームを祝福。「フィンランドがついに欧州選手権に!」と感情を露わにした。

ファンもSNSで喜び「大の大人が泣いて…」

 記事では他にも「大の大人が泣いて、これが本当に起きたことなのかと尋ねていた」「何年か前まではこんなことが実現することなんてないと言った。それが間違っていた」と、ファンからの喜びのツイートも紹介されている。長年メジャートーナメントに縁がなかった代表チームの快挙だけに、国民ですらも驚きと喜びが入り混じった感情を抱いているようだ。

 かつてはアヤックスやバルセロナなどでプレーした英雄ヤリ・リトマネン氏らを擁しながらも、手が届かなかった大舞台。勢いに乗るフィンランド代表の躍進に注目だ。

11/16(土) 9:15 フットボールゾーン
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