それを煽っているのが、韓国メディアだ。その多くの論調は「KBO(韓国野球員会)は断固として抗議すべき」としており、どちらかと言えば標的はWBSCよりもスーパーラウンド開催地の日本に対して向けられている。

 反日むき出しの韓国メディアの報道を要約すると「開催地の日本が地の利≠生かして米国戦の球審および三塁塁審を日本人に任せ、我々韓国の代表チームを貶めた。リクエストによるビデオ判定でも判読官が誰なのか明らかにされず、そこに日本人が加わっていた可能性は否定できない。韓国国内で行われていた1次リーグC組ではそのビデオ判読官の名前と国籍がすべて明らかにされていたにもかかわらず、日本開催のスーパーラウンドから突然ヴェールに包まれてしまったのは明らかにおかしい」という過激な内容だ。

 それでもそう突っ込まれても仕方がないな≠ニ思わざるを得ないところもある。とにかく今回はプレミア12の主催者・WBSC、そしてサポートするNPBの「杜撰」としか思えないような大会運営に首を傾げたくなる点が多々見られるからだ。

■ プレミア12、WBCの強奪狙い始めた韓国球界

 来日中のKBO関係者からは「匿名」を条件に、こんな物騒な言葉も飛び出している。

 「スーパーラウンドで大会協賛スポンサーの大半を抱える日本が有利になるような疑念が生まれるならば、次回以降は韓国の企業がスポンサーとしてもっと名乗りを上げるべき。そういう機運は確実に高まっている。

 韓国の経済界は失速気味とはいえ、体力は十分ある。しかも我が国内で野球の代表チームへの関心度は比較的高い。先日のプレミア12・1次リーグC組の韓国国内での試合は不入りだったが、入場料が高過ぎたことが原因とされており、改善点は分かっている。そうした反省も踏まえながら次の第3回プレミア12、そして今後のWBC(ワールドベースボールクラシック)は我が韓国のテレビ局と企業が出資し、基本線として国内開催に踏み切れる道筋を作るのがベスト。いつまでも日本ばかりが国際大会でホームアドバンテージ≠生かして野球大国を気取られるような形にさせておくわけにはいかない」

 稲葉ジャパンの人気がこのままパッとしなければ、国内のスポンサーにソッポを向かれてしまう危険性はなきにしもあらず。そのスキを狙い、国際大会の大口スポンサーとして韓国側の大企業が雪崩れ込んで来ればWBSCやWBSを主宰するMLBもグラつくかもしれない。

 いずれにせよ、これで東京五輪での金メダルを獲れなかったら稲葉ジャパン、いや日本の野球人気は文字通り「アウトを迎える日」が近付くことになってしまう。もっとNPB側は危機感を覚え、改善策を早急に立て直す必要性がある。