福岡ソフトバンクから国内フリーエージェント(FA)宣言した福田秀平外野手(30)が、退団することが濃厚になった。

 13日に福岡市内で楽天側と初めて交渉し、獲得に名乗りを上げていた5球団との初交渉が終了。各球団は引き留めを図るソフトバンクを上回る条件を提示したもようだ。ソフトバンク側は今後再度の話し合いの場を設ける予定はなく、福田側も移籍へ気持ちが傾いているとみられる。生え抜き13年目のユーティリティープレーヤーが流出することになりそうだ。

■楽天と1時間会談
 ソフトバンクで育った“スーパーサブ”がチームを去る日が近そうだ。福田は13日、福岡市内のホテルで楽天の石井一久ゼネラルマネジャー(GM)らと初面談。これで獲得に名乗りを上げていた5球団との話し合いを終えた。交渉終了後、報道陣には「一通りお話をいただいたので、これからしっかりと考えたい。できる限り、近いうちに決めたいと思っています」と話すにとどめた。

 残留を求めて工藤監督が出馬するなど、4年5億円程度を示したソフトバンクを皮切りに他球団と交渉を重ねてきた。他球団はその条件を上回る提示を獲得への熱意とともに示してきたもようだ。ソフトバンク側は福田側と再度交渉の場を設ける予定はないという。

 決断の日に向け今後はさらなる熟考モードに入っていくことになる。近しい関係者によると、これまでプレーしてきたソフトバンクに強い感謝と愛着を持つ一方で、一人の野球選手として自らの力を試してみたいとの思いも強く、福田の心は他球団への移籍へと傾いているという。

 この日の楽天との交渉は約1時間。石井GMらには、これまでソフトバンクでプレーしてきたデータなどを示され、高い評価を受けた。また、今後の“伸びしろ”にも言及されたといい「すごく(毎年)レベルが上がっていると言われた。来年、再来年の成長の度合いに期待している、とも言っていただきました」。同一リーグのライバルチームより寄せられたラブコールに笑顔を見せた。

 FA宣言時に「いろいろな球団の話を聞きたい」と口にし、3日に西武と中日、6日はヤクルト、ロッテと話し合いを行ってきた。評価を目の当たりにして「びっくりしています。どこの球団にも高い評価をしていただいた。身が引き締まる思いです」と表情を引き締めた。決断のポイントについては「野球選手として、一番必要としてくれるところを重要視して、総合的に考えたい」と話した。ユーティリティープレーヤーの選択が注目される。

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