ウクライナのシャフタール・ドネツクに所属するMFタイソンが、サポーターからの人種差別行為に激怒して退場を命じられた。

10日に行われたシャフタール・ドネツク対ディナモ・キエフ。1-0で迎えた74分、スルーパスに反応したタイソンはDFとの競り合いで反則を取られる。すると、ディナモ・キエフのサポーターから人種差別的な挑発があり、それに激怒したブラジル人MFは同セクションに向かって中指を立て、ボールを蹴り込んだ。

その後レフェリーは試合を中断し、両チームにベンチに下がるよう指示。その際、タイソンは涙を流しながら、ディナモ・キエフの選手たちに支えられ、慰められる場面が確認されている。しかし、5分後に試合を再開する際、レフェリーは同選手にレッドカードを提示し、退場処分が下された。

試合後、シャフタール・ドネツクのルイス・カストロ監督は「どのような形であれ、人種差別は到底受け入れられない。人種差別に苦しんだ彼をサポートしたい」と言及した。

またMFマルコス・アントニオは「フットボールでこのようなことが起きるなんて最悪だ。アスリートへのリスペクトがないファンではなく、試合には本当のファンが必要。このようなことは僕たちみんなを不快にさせている。タイソン、(同じく人種差別を受けた)デンチーニョはひどく落ち込んでいる」とチームメイトの心境を明かした。

さらにGKアンドリー・ピアトフも、「みんながショックを受けている。ディナモの選手たちとも話をした。それに(ディナモ・キエフのジェルソン)ロドリゲスも大きなショックを受けていた」と語っており、ディナモ・キエフ側へも計り知れない影響を与えたようだ。

なお、先日にはセリエAのブレシアに所属するマリオ・バロテッリが人種差別に激怒し、ボールをスタンドに蹴り込む事態も発生。この際、イタリア代表FWにレッドカード等は提示されず、逆に自らピッチから立ち去ろうとする同選手をチームメイトや相手選手、さらにオフィシャルがなだめていた。

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