0001牛丼 ★
2019/11/09(土) 14:54:01.36ID:XeH+fmMC9船着き場の一角に構えられた露店は、香ばしい匂いに満ちていた。観光客が、食べごろを迎えたシワイカナゴを味わおうと、卵をたっぷり抱えたシワイカナゴを火鉢に載せて粗塩を振り、こんがり焼いていた。家族と一緒に束草を訪れたキム・ギュドンさん(60)は「卵で満ちたシワイカナゴを炭火で焼いて一口食べると、香ばしさのある味で口の中がいっぱいになる」として、「今の時期なら、必ずシワイカナゴを食べてみるべき」と語った。
イカナゴは10月から12月までが旬だ。冷水性の魚種で、海水温が15度を下回る冬に沿岸部へやって来て産卵する。東海岸でシワイカナゴ(ヤンミリ)と呼んでいる魚は、本来はイカナゴ(カナリ)だ。西海岸では、春に稚魚を取って塩辛にする。東海岸では、産卵期にある成魚を取り、焼いて食べたり鍋にして食べたりする。ラさんは「本来カナリはスズキ目の魚、ヤンミリはトゲウオ目の魚」だとして、「正式名称はカナリだが、東海岸ではヤンミリで通っている」と説明した。
束草市は、東海岸でも指折りのイカナゴ産地だ。1990年代だけでも、冬になると30隻を超える船がイカナゴ漁に出た。漁民たちもイカナゴ漁でお金を稼ぎ、冬を越した。束草市は、イカナゴで年間10億ウォン(現在のレートで約9250万円。以下同じ)以上の経済的誘発効果を上げていると推算している。イカナゴの街らしく、2006年からは祭りも開いている。束草イカナゴ協会のイ・ジンギュ会長(59)は「東海岸で冬の海の主人公だったタラが姿を消し、イカナゴがその位置を占めた」として、「かつては『不細工』とぞんざいに扱われる魚だったが、今では漁民にとって貴重な冬のプレゼント」と語った。
イカナゴは生臭さがあまりなく、淡白で、料理法も多様だ。ぷりぷりした活きがいいイカナゴは丸ごと炭火に載せて焼いて食べ、海風でからからに干したイカナゴは煮付けにして食べたり、鍋に入れて食べたりする。その中でも、丸ごと火に載せてあぶったイカナゴ焼きの、ほろ苦く淡白な味は逸品だ。
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