今回のインタビューは7日のワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)バンタム級トーナメント決勝後、前WBA世界バンタム級スーパー王者ノニト・ドネア(フィリピン)が滞在するホテルで収録された。

■バンタム級史に残る死闘を終えて

ーー凄まじい試合でした。終了後、会見に出ずに病院に向かいましたが、身体は大丈夫ですか?

ND : まったく問題ないですよ。ハードなファイトだったし、何度か効かされてしまったから、病院で診断を受けて、大丈夫だと確認しておきたかったんです。余計な心配をせずに家に帰りたいですからね。

ーー井上尚弥(大橋)選手との激しい戦いをどう振り返りますか?

ND : 良い試合になりましたが、私は多くのミスを犯してしまいました。ゲームプランを間違えたところがあります。パワーに頼りすぎてしまったことを否定はしません。もちろん井上を讃えなければいけませんね。彼は単なるパワーパンチャーではなく、タフなファイターであることを証明しました。私はこれまで左フックで多くの選手を倒してきましたが、彼は最後まで立ち続けました。

ーー井上選手の戦力は事前に予想していた通りでしたか?

ND : パワーはありましたが、人々に言われているほどではありませんでした。ただ、スキルは想像以上。そして、タフネスは素晴らしかったと思います。

ーー11ラウンドは左ボディでダウンを喫しましたが、ダメージは激しかったですか?

ND : あれは効きましたね(苦笑)。あのパンチを受けた後、私には選択肢があり、立ち続けることもできました。ただ、その上でまたボディを打たれたら、そこで終わってしまうかもしれない。だから膝をついてカウントを聴いたんです。そのカウント中に回復したのですが、その後の私はまた顔面へのビッグパンチを狙いにいってしまったのは頂けなかったと思います。

ーーその前の9ラウンドにはあなたのパンチを浴び、井上選手は効いていたようにも見えました。あそこで詰めにいけなかった理由は?

ND : 先ほど“ゲームプランを間違えた”といったのはその部分です。カウンターで井上にダメージを与えたから、その後もカウンターを狙い続けてしまった。あそこは自ら仕掛け、仕留めにいくべきでした。それこそが今戦で私が犯した最大のミステイク。その代償を敗戦という形で支払うことになりました。

ーー確かに敗れましたが、リングを去る時、日本のファンはあなたにスタンディングオベーションを送りました。

ND : ファイターとして、私たちはすべてを出し切りました。2人のウォリアーが全力を尽くしたことに、日本のファンも感謝してくれたのでしょう。

>>2以降に続きます

杉浦大介 | スポーツライター
11/8(金) 8:16
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