10月30日、ヤクルトがアルシデス・エスコバーと契約を締結したと発表した。
エスコバーはロイヤルズのリードオフを長く務め、2015年には正遊撃手としてワールドシリーズ制覇。
メジャー11年で通算1367安打の実績がクローズアップされているが、むしろ注目すべきは、彼が史上初の"守備型助っ人"であるという点だ。

助っ人外国人選手に期待されるのは、やはり打撃だ。
多少守備が悪くとも、ホームランを量産できる助っ人が好まれる。だが、エスコバーはメジャー11年でOPSが.700を超えたのは一度しかなく、ホームランも7本がキャリアハイ。
通算出塁率も.293と3割にも届かず、“攻撃型”の選手とはいいがたい。打者有利の神宮球場を本拠地にすれば多少成績は上がるだろうが、いきなりホームランを30本打つような爆発は期待できないだろう。
 
むしろエスコバーの真価は、打撃よりも守備にある。俊足を生かした守備範囲の広さに定評があり、15年にはゴールドグラブ賞も獲得している。

遊撃手のゴールドグラバーが来日するのは史上3人目だが、エスコバーと前の2人はタイプが違う。
1人目は1963年と65年に同賞を受賞し、72年に広島へ入団したゾイロ・ベルサイエスだが、彼はツインズ時代の65年にリーグ最多の76長打を放ってア・リーグMVPを受賞した強打者だった。

2000年に西武に入団した2人目のトニー・フェルナンデスも、打率3割を5度記録したコンタクトヒッター。
86年〜89年にかけて4年連続でゴールドグラブ賞を受賞したが、来日時はすでに38歳と高齢で、守備にはほとんど期待されていなかった。
二人ともまずは打撃ありきの助っ人で、実際2人とも来日後はほとんどショートを守っていない。

ショート以外でメジャー時代にゴールドグラブ賞を受賞し、来日してからもダイヤモンドグラブ賞(ゴールデン・グラブの前身)を受賞した助っ人は3人いる。
だが、彼らも守備を期待されて入団したわけではない。

クリート・ボイヤー(元大洋)もデイビー・ジョンソン(元巨人)もメジャー通算100本塁打を超えた強打の選手。
メジャーのオールタイム・ゴールドグラブチームにも選出されたウェス・パーカー(元南海)だけは“守備型”と言えなくもないが、彼は一塁手で、遊撃のエスコバーと比較するには不適格だ。
そうなるとやはりエスコバーは、史上初の“守備型助っ人”とみなしていいだろう。史上4例目の日米ゴールドグラバーになれるかにも注目が集まる。
 
守備でもインパクトを残した助っ人といえば、03年に中日へ入団したアレックスが思い出される。巨人との開幕戦でいきなりセンターからケタ外れの強肩を披露し、日本のファンの度肝を抜いた。
巨人ナインも驚愕の表情を浮かべるなど、まさに「メジャーを感じさせる」プレーだった。

エスコバーも14年に日米野球で来日した折、三塁寄りの深い位置からダイナミックなジャンピングスローを見せた。是非その再現に期待したい。

エスコバーは来季開幕時に33歳。選手としては下り坂に入る時期だ。
今季はずっと3A暮らしでメジャーには上がれなかったが、グラブさばきはそこまで衰えていないだろう。
史上初の“守備型”助っ人としてエスコバーが“魅せる”フィールディングは、2020年プロ野球の大きな見どころになるはずだ。

文●筒居一孝(スラッガー編集部)

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191107-00005108-thedigest-base
11/7(木) 5:31配信

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%83%87%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%90%E3%83%BC
成績

https://www.youtube.com/watch?v=2eH6jkJRp_o
ヤクルトと契約したメジャーの凄い遊撃手エスコバーのスーパープレー集 MLB /NPB / Alcides Escobar

https://www.youtube.com/watch?v=pr3hDROjGN8
ヤクルト 新外国人 アルシデス・エスコバー(Alcides Escobar)選手 打撃、走塁、守備動画まとめ