マラソンと競歩の札幌開催が決まり、札幌市内にある北海道大の学生から困惑の声が上がっている。大通公園を発着点として同大構内などを走る「北海道マラソン」のコースが採用される可能性が高いためだ。

 レースが行われる来年7月下旬〜8月上旬は、北大の試験の真っ最中。コースが北海道マラソンと同じなら、11キロすぎで大学の南に面した「北8条通」に入り、西沿いの「新川通」を通り抜けていく。さらに、折り返して40キロ付近で大学構内を走る。

 試験期間中に目の前で五輪が行われることに、理学部2年の男子学生は「世界のお祭りだから仕方ないが、見物人で混雑するのも心配」と不安げ。法学部2年の男子学生は「ちょっと迷惑。実感が湧いていない」と眉をひそめた。一方で「北大構内でマラソンが見たい」(法学部3年男子)との声もあった。

 大学広報は「試験は7月下旬から8月上旬に行われるが、学部によって違う。対応は、レースの詳細決定後に考えたい」とした。

 このほか、札幌ドームや真駒内セキスイハイムスタジアム、円山競技場を発着点とするコースが候補となる。ただ大通公園は、同時期に夏の風物詩「さっぽろ夏まつり」を開催中。それ以外は、コースの再設定が必要となる。札幌ドームは出入り口の幅が約4〜6メートルと狭く、選手が市内に出る際に接触や転倒の恐れがあり、改修に数億円が必要とされる。

 《札幌市民は歓迎》札幌開催を多くの市民は歓迎ムード。発着点の大通公園周辺では、豊平区の30代主婦は「一生のうちに自分の目で五輪を見られる機会。応援に行きたい」と笑顔で話した。中央区の30代主婦は「東京には悪いですけど、うれしいです。絶対に応援に行きます」と本番が待ち遠しい様子。毎年、北海道マラソンに参加している函館市の50代会社員は「いつも知っているコースで五輪のマラソンが開かれるのは楽しみ。東京であの時季に開くのは無理だと思う。札幌にしたのは賢明」と話した。

2019年11月02日 05:30 スポニチ
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