0001鉄チーズ烏 ★
2019/10/31(木) 19:34:03.61ID:UA8OlWAI9■プレーに“付箋(ふせん)”
筑波大大学院人間総合科学研究科で、映像で見た得失点の統計値と選手が主観的にとらえる印象との違いなどを専攻した池袋コーチは、自身の分析法を「プレーの種類ごとに付箋を貼っていくイメージ」と説明する。試合の映像を分析用のソフトに取り込み、1プレーずつパソコン画面に手入力する。
例えば、サーブなら、どの位置から出したか。回転は横回転、下回転、逆横回転の3種類。コースは卓球台の相手エリアを8分割し、どこにボールが着地したかに分ける。
レシーブは下回転をかけて返すツッツキ、強烈な横回転のバックハンドのチキータなど9項目。失点はネットイン、台を越えるオーバーなど。トータルの項目数は35にのぼる。組み合わせにより、各選手のプレーの特徴も見えてくる。
■世界1位を撃破
今年2月10日に横浜文化体育館で行われた木下アビエル戦。17年からチームを指揮する三原孝博監督(43)は「データがいかに重要かが分かった」と振り返る。
シングルスの1番手として登場した加藤美優(20)は石川佳純(26)とのエース対決に0−3で敗れた。しかし、マッチカウント2−2となり、1ゲームで勝敗を決めるビクトリーマッチで再戦。分析データを基にした「徹底してサーブをフォア側に短く出し、バック側にツッツキを集めるように」との三原監督の指示が奏功し、加藤は11−7で雪辱を果たした。
池袋コーチがこれまでに蓄積したデータは、Tリーグに所属していない選手も含め、約50人分。日本ペイントの所属選手が世界各地で行われるワールドツアーに出場する際も、過去の試合を約10分間に短縮した映像を無料通信アプリ「LINE(ライン)」で送っている。7月にマレーシアで行われた賞金大会「T2ダイヤモンド」では、加藤が世界ランキング1位の陳夢(中国)を破る金星を挙げたが、実は加藤の要望で、陳夢のサーブの場面だけを切り取った映像を事前に渡していた。
ふだんの練習でも映像機器を駆使している。卓球台を縦と横方向から撮影。モニターで遅延再生し、その場で自身のプレーを確認できる。「自分ではこうだと思っていても、映像で見ると違う。選手は自分の長所は過大評価するが、短所は過小評価する傾向がある」と池袋コーチ。主将の松平志穂(24)は「以前は感覚でプレーしていたが、体が前に突っ込んでいるかどうかも、映像で分かるようになった」とうなずく。
■データ分析の環境を
池袋コーチは「日本スポーツ振興センター(JSC)」の分析スタッフとして、12年ロンドンとリオの両五輪での日本代表の躍進を支えた。五輪で得たノウハウをTリーグに生かしてもらおうとラブコールを送り続けた三原監督は「選手たちが指導者になったとき、データ分析を当たり前にできる環境をつくっていきたい」と将来を見据える。
日本代表がワールドカップ(W杯)で史上初の8強に進出したラグビーなどの他の球技と比べ、「卓球はまだまだデータ分析が進んでいないし、分析できる人材も少ない」と池袋コーチは指摘する。そのうえで、チームとして現在取り組んでいるのが、試合終盤で競り合った際の相手攻略法だ。「競った場面ほど、各選手の強みや弱みが出やすい」(三原監督)からだ。現在、日本ペイントはTリーク女子の3位につける。「分析力」が実を結んで接戦をものにできれば、上位進出の可能性もぐっと高まる。
10/31(木) 17:29配信 産経新聞
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