観光庁が16日発表した9月の訪日外国人旅行者数(推計値)によると、輸出規制で対立が続く韓国からの訪日客は前年同月比58・1%減の20万1200人に落ち込んだ。一方、ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会に出場した英国やロシア、フランスなどからの旅行者が急増し、訪日客の総数は5・2%増の227万2900人で2カ月ぶりに増加した。

 9月の訪日客を国・地域別にみると、中国が最多で25・5%増の81万9100人。2位は台湾で14・3%増の37万6200人。韓国は3位で8月(48%減)に続く大幅減となり、減少率は東日本大震災の発生直後に当たる2011年5月以来、8年4カ月ぶりに5割を超えた。

 一方、9月20日開幕のラグビーW杯に出場した主要7カ国のうち伸び率が最も高かったのは英国の84・4%増で4万9600人。ラグビー発祥国でウェールズやイングランドなど地域別に4チームが出場していることが訪日客数を押し上げた。

 ロシアは39・0%増で1万500人、フランスが31・6%増の2万6500人と続いた。日本政府観光局(JNTO)によると、日本を除く出場17カ国からの訪日客は36・2%増の34万7200人だった。決勝トーナメントのある10月も増加が見込まれる。

 今年1〜9月の訪日客総数は、前年同期比4・0%増の2441万7800人で過去最多を更新した。台風19号で被災し、復旧に時間を要する地域への観光が今後、敬遠される可能性がある。【石田宗久】


10/16(水) 19:23配信 毎日新聞
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