【江尻良文の快説・怪説】

 2000年のONシリーズ以来、19年ぶりの顔合わせとなる巨人VSソフトバンク(00年当時はダイエー)の日本シリーズ(19日開幕)。ユニホームから背広に着替えた巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(83)とソフトバンク・王貞治球団会長(79)による“ON再決戦”が見ものだが、その前に立ちはだかるのが、ラグビーW杯で初の8強入りを果たした日本代表の大旋風だ。

 監督同士のON対決では2連勝後の4連敗で苦杯をなめた王会長は「巨人にお返ししたい」と長嶋氏への雪辱に燃えている。

 日本プロ野球界にとって願ったりかなったりの話題豊富な対戦だが、20日の第2戦(ヤフオクドーム)が日本中に大旋風を巻き起こしているラグビー日本代表が南アフリカに挑む一大決戦とかち合う。

 球場が超満員になるのは間違いないが、テレビ中継の視聴率となると話は別。日本列島を熱狂させているジャパン相手では勝ち目はない。

 救いは試合時間。日本シリーズはラグビーのキックオフより45分早い午後6時半開始。2時間足らずで終了する日本代表戦の開始前と終わった後に、視聴者が日本シリーズを中継するTBS系にチャンネルを変える可能性はある。日頃批判されることが多い「試合時間の長さ」に、珍しく救われることになるか。

 ONシリーズの00年にはシドニー五輪があったが、時期が重なっておらず、同年の視聴率ランキングでは巨人対ダイエー第6戦が36・4%で7位、第2戦も32・9%で10位。シドニー五輪野球予選の日本対米国は32・4%で12位だった。

 今回のラグビーW杯で日本が初の8強入りを決めたスコットランド戦は39・2%で今年の全番組でトップ。背広のONシリーズにとって最大の脅威であることは間違いない。さて、どんな結果になるのか。

10/16(水) 16:56配信 夕刊フジ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191016-00000009-ykf-spo