ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会では、13日に予定されていたB組最終戦のカナダ―ナミビア戦が
台風19号の影響で中止に。戦わずして無念の最下位が決まったカナダは台風の爪痕が残る釜石に残り、
泥掃除などのボランティア活動に参加した。海外メディアやファンから称賛を集める中、4大会連続出場を
果たしたカナダのレジェンドは、帰国時の空港で起きたエピソードを明かしている。

感謝の思いを持つは、お互い様だ。台風で被害を受けた釜石。試合中止となったカナダ代表の屈強な男たちは、
同市内でスコップやポリ袋を手に泥を集めた。地元の人々の日常生活の回復に貢献しようとする姿は、
大会公式ツイッターなどで紹介されるなど、感動の輪を世界中に広げている。

3連敗で1次リーグ敗退が決まったものの、献身的にボランティア活動に励んだカナダ選手。驚く出来事があった。
CTBを務め、4大会連続出場を果たしたDTH・ファンデルメルビは自身のツイッターを更新し、長文のメモの画像を投稿。
帰国する成田空港で起きたことをこう明かしている。

「一人でここ成田空港で座っているが、日本の行いに感動している。個人、航空会社職員、一般の方々が
私のところに来て、『昨日釜石で協力してくれてありがとう』と言ってくれた。どのくらいアメージングなことかと言うと、
釜石はここから530キロも離れているんだ」

成田空港で日本人から多数の感謝の言葉をもらったという。さらにファンデルメルビは「カナダ人であることが、
どれほど誇らしく、素晴らしく感じたか、言い表すことができない。協力してくれた選手たちに感謝したい。
ゴールに達することができなかったが、貢献することができた!」と喜びを表現した。

同代表レジェンドのファンデルメルビは、ツイッターの文面に「心の糧!」と記し、日本国旗の絵文字とともに
「Arigatou Gozaimasu」とつづっている。勝利は得られなかったが、カナダ代表公式ツイッターも「ラグビー以上の
価値がある」と表現した活動。市街地の道路に汚泥が堆積した台風一過の釜石で、カナダの示した美徳は
各国メディアが紹介するなど、ラグビーの本場ニュージーランドでも注目を集めていた。

カナダ代表が地元の社会貢献に励んだ理由について、LOジョシュ・ラーセンが「彼らは我々に対してアメージングで
あり続けてくれた。せめてものことはしたかった」と語った様子を、海外メディアが説明していた。宿泊先のホテルでは、
浴衣を着るなどチーム内で日本文化が流行。地元の人々と交流を深め、絆を育んできた。日本で過ごしたおよそ1か月の
経験は、かけがえのないものとなったのかもしれない。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191015-00088789-theanswer-spo