ベスト8が出そろったラグビーW杯で、史上初の決勝トーナメント進出を決めた日本代表の優勝オッズが、大会開始前から大幅に下がっていることが14日、分かった。英大手ブックメーカー・ウィリアムヒル社では、151倍が26倍に。さらに、同社の「最多トライ数プレーヤー」の賭けでは、右ウィングの松島幸太朗(26)が2番人気の4・5倍と“本命サイド”に推されている。また、13日に日本に敗れたスコットランドでは、地元メディアなどで日本代表をたたえる声が相次いだ。

 1次リーグでアイルランドに続きスコットランドも撃破。もはやフロックとはいえない日本代表の活躍を、ブックメーカーも黙って見ているワケにはいかなくなったようだ。日本代表の優勝オッズの数字が、各社とも大会が始まる前と比べて大きく下がってきた。

 ウィリアムヒル社が付けた日本のオッズは26倍。ベスト8に残った唯一のティア1(強豪国)以外のチームということもあり、7番人気ではあるものの、事前オッズと変わらない34倍だったフランスを上回った。大会前の151倍からは、一気の躍進だ。英ラドブロークス社は250倍から34倍、英BET365社も151倍から41倍と、いずれも3ケタの“大穴”から中穴のオッズを付けた。

 日本代表は、他チームのオッズにも影響を与えた可能性が大きい。優勝候補の一角と言われながら、日本に敗れたアイルランドは人気が下落。大会前は前出の3社とも10倍の4番人気でウェールズと同評価だったのが、次戦で2連覇中のオールブラックス(ニュージーランド代表)と当たることもあってか17〜19倍に。全勝で7〜9倍の1ケタとオッズが下がったウェールズに水をあけられ、5番人気にダウンした。

 また、個々のプレーヤーについても日本が「世界クラス」であることをオッズが証明した。大会の最多トライ数選手を予想する賭けで、初戦のロシア戦で日本代表初のハットトリックを達成した松島が、2番人気の4・5倍となったのだ。1番人気は松島と同じく1次リーグで計5トライを挙げたウェールズの快足ウィング、ジョシュ・アダムズの2・1倍だった。

 5番人気にはアイルランド戦から3戦連続、計4トライを決めた福岡堅樹が13倍で続いている。上位5人に複数のプレーヤーが選ばれたのは日本だけ。日本代表は確実に、世界のラグビーファンの間に名前を刻み始めている。

 ◆ブックメーカー 欧米における「賭け屋」のこと。英国では合法で免許制を取っている。スポーツのほか、ノーベル賞受賞者や次の国家元首、王室の子供の名前など、あらゆるものが賭けの対象となる。ブックメーカーの予想担当が決めたオッズは常に変化しているが、締め切り時点のオッズで配当が決まる日本の公営ギャンブルと異なり、賭けた時点のオッズが適用される。大手ブックメーカーには、日本語のホームページも用意されている。

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10/15(火) 6:04配信 スポーツ報知
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