プロ野球ドラフト会議が10月17日に行われる。今年の2大注目は最速163キロの右腕・大船渡(岩手)の佐々木朗希や、夏の甲子園準優勝右腕・星稜(石川)の奥川恭伸。
両投手には複数球団の指名が予想される。彼らは果たしてプロで活躍できるのか。球界のご意見番、張本勲氏(79)に聞いた。

「佐々木君や奥川君を欲しくない球団はないでしょう。みんな欲しいと思いますよ。今は昔と違って、あのチームがいいとか、このチームはイヤだとか言えないし、そういうことを言うべきでもないからね。
ポスティングやFAもあるし、どこのチームでもいいから、自分がプロでしっかりとした成績を上げることです」

――佐々木投手はプロで活躍できるでしょうか?

「速球が早いじゃないの。十分に通用しますよ。速い球を投げる、球を遠くに飛ばす、足が速いなどというのは“天賦の才”だから。体も強靭だし、バネもあるから、いいと思います。
今は分業システムで6、7回までしか投げないけど、私としてはローテーションに入って先発、完投、完封してほしい。100年に1人の投手としての素質は持っているから楽しみですよ」

張本氏はこれまで佐々木投手に対して苦言を呈し続けてきた。発端は、甲子園まであと1勝と迫った岩手県予選の決勝で、監督の指示で登板を回避したことだった。
当時、「週刊文春デジタル」の取材に張本氏は「本人のためにも投げさせきゃだめ。ケガはスポーツ選手の宿命」と 主張した 。
こうした張本氏の発言に、大リーグで活躍するダルビッシュ有投手(カブス)が反論。それにまた張本氏が 再反論 をするなど、
高校野球での投手の酷使問題、投球数をめぐる肉体管理について議論が巻き起こった。

金田さんも「お前の言う通りや。投げさせなきゃだめだ」
「先日亡くなった金田正一さんから、当時電話をいただいて、『お前の言う通りや。投げさせなきゃだめだ。賛否両論じゃないよ。99%だ』とおっしゃった。
日本一のピッチャーが同じことを考えてくれてると思って、やっぱり心強いなと。故障やケガを考えたら、投手はやれません。ケガはスポーツ選手の宿命だから。

あの(議論の)後で、甲子園で奥川君が投げる姿を見て、星稜ナインたちは歯を食いしばって涙ぐんでいた。同じように佐々木君にも緊迫した大きな試合を経験させてあげたかったわな。
彼は震災で家族を亡くして悲しい教訓を抱えている。そんな彼を檜舞台に出してやらなきゃ、胸が痛いよ」

――佐々木投手がプロで長く活躍するために必要なことは?

「佐々木君は左足を高く上げる独特の投球フォームですけど、プロでは球数を多く投げるから、あのフォームでは疲労が蓄積しやすい。
1年間先発ローテーションを守るなら、スタミナを考えて、高く上げる足を少し低くしたほうがいい。あとは、大谷翔平(エンゼルス)の5年じゃ短いけど、7年や8年はしっかり日本流に耐えてやってもらいたいわな。
将来、メジャーへ行くにしても、東洋人と欧米人は体力が違うから。日本人は走って下半身を鍛えなきゃ。
それで金田正一さん(400勝)や米田哲也さん(350勝)、稲尾和久さん(276勝)みたいな大投手が生まれるんだから」

一方、張本氏は「佐々木君よりも奥川君のほうが早く即戦力になるかも知れない」と解説する。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191014-00014710-bunshun-spo
10/14(月) 5:30配信