ナゴヤ球場屋内練習場のブルペン。この空間を独占するかのように、中日の山井大介投手(41)が一人、黙々と投げ込んでいた。その視線はすでに
プロ19年目となる来季へ向けられていた。

 「結果を残せなかったのは、もちろん悔しい。それは現実として受け止めないといけない。もちろん、もっとできるとも思っています」

 11日にナゴヤ球場で加藤球団代表と会談。その場で今季6200万円から減額制限内いっぱいの25%減となる大幅減俸で来季契約を結ぶ意向を
伝えられたもよう。悔しさはある。それでも今季3勝(5敗)に終わったベテラン右腕は厳しい現実にも下を向かず、復権へと既に歩を進めていた。

 「やればやるほど気付くことが多い」と話したように、ブルペンでは投球時の歩幅の修正に取り組んでいた。基本は6足半。しかし今季は硬いマウンドに
変更されたナゴヤドーム、東京ドームなどで、6足になっていたという。

 「打者との距離感、間合いが違う」。シーズン中はあえて歩幅のことをあまり考えすぎないようにしていたが、この秋の間に硬いマウンドでも
6足半で投げられるように動きだした。

 球界最年長投手―。年を重ねるにつれ、近年は常に背水の覚悟でもいる。それでも体、ボールはまだまだ若々しい。「真っすぐは相手打者の反応を見ても、
十分に通じると思っている。あとは(力が)ガクンと落ちないように、いかにやっていくか」。背番号29は来季も竜のユニホームをまとい、
懸命に腕を振り続ける。(島田明)

中日スポーツ
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