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2019.09.22

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 新車のオーディオから、CDやDVDなどのプレーヤーがなくなる日が近づいているのかもしれません。2019年9月に発表されたトヨタ新型「カローラ」「カローラツーリング」は、標準装備されるナビ・オーディオ機器「ディスプレイオーディオ」にスマートフォンとの連携機能がある一方で、CD/DVDプレーヤーはオプションとしても用意されていません。

『カローラ』では車載通信機(DCM)と『ディスプレイオーディオ』を全グレード標準とし、スマートフォンとの連携強化、コネクテッド(通信)サービスの充実を図りました」(トヨタ)

 トヨタは2017年発表の「プリウスPHV」でも、据え付け型の大画面ナビ「T-Connect SDナビゲーションシステム」を打ち出し、すでにCD/DVDプレーヤーを廃止しています。「CDなどが聴けないのはなぜ」といった声も多いのか、ウェブサイトでは「プリウスPHV」にまつわる「よくある質問」への回答として、「今後の世の中の動向を先取りしました。スマートフォンやiPodで音楽を楽しまれているお客様が増え、今お使いいただいているものを、車に持ち込んで使えるUSB端子やAUX端子、Bluetoothなどを使ってお楽しみいただく方法としています」と記載しています。

 今回の「カローラ」においてトヨタは、後付けの機器では難しいコネクテッドサービスの充実を図りつつ、CD/DVDプレーヤーの利用状況を鑑み、これを廃止することでコストを抑えたというわけです。

メーカーオプションとして用意されているナビやオーディオの多くは、CD/DVDプレーヤーのほか、スマートフォンなどを介した視聴にも対応するなど、ひととおりの機能が備わっています。一方、ビルトイン(据え付け)タイプの装置においては、CD/DVDプレーヤーはオプションとして別途取り付けが必要、というケースもありますが、ある自動車メーカー関係者は、そうしたケースでもCD/DVDプレーヤーを取り付ける人は少なくないといいます。

「スマートフォン内のデータやネットアプリによる配信での音楽視聴が増えている傾向は承知していますが、CD/DVDプレーヤーを必要とされているお客様も、まだまだいらっしゃるのではないでしょうか」(自動車メーカー関係者)

 ただし、そうしたオプションでCD/DVDプレーヤーとTVチューナーがセットになっているケースもあり、純粋にCD/DVDプレーヤーが目的とは言い切れないといいます。

前出の自動車メーカー関係者は、大容量のデータ通信プランや、動画が見放題のプランを打ち出す携帯電話会社なども増えていることから、子ども向けにDVDを車載オーディオで流すような場面も、スマートフォンを通じての視聴に代わっていくと見ています。CD/DVDプレーヤーの存続については、市場動向を見ながら対応していくことになると話します。

新型「カローラ」に標準装備されたディスプレイオーディオ。スマートフォンと連携させ、アプリを通じて音楽などを視聴する
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