(セ・リーグ、阪神4−2広島、25回戦、阪神13勝12敗、21日、甲子園)背水の一戦で魂の投球−。
阪神・西勇輝投手(28)が広島戦に先発し、8回2失点の好投で9勝目を挙げた。2年連続6度目の2桁勝利に王手をかけ、投球回数はキャリアハイの167回1/3に。
負ければクライマックスシリーズ(CS)進出が消滅する一戦で今季4度目の鯉斬り。チームの5年ぶりの広島戦勝ち越しも決めた。

まさに熱投−。鬼気迫る投球で耐え、西が勝利を呼び込んだ。チームが追いついた直後の七回2死一、三塁のピンチ。
代打・坂倉を外角低めの136キロで二ゴロに料理すると、甲子園の中心でほえながら、グラブを右手でバシッとたたいた。

「負けたら終わりと聞いていたので。負けられない試合で先発させてもらい、何とか長い回をと思っていました」

一回、二回と失点したが、ここからが真骨頂。「向こうが早打ちだったので、流れに身を任せるじゃないですけど、(自分も)そのリズムの方がいいかなと思った。
それがうまくはまって球数も少なくいくことができてよかった」。抜群の制球力で8回を5安打、104球で2失点。
自身4連勝で9勝目を挙げ、2年連続6度目の2桁勝利へリーチをかけた。

FA移籍1年目からローテーションを守り、投球回もキャリアハイの167回1/3に到達だ。負ければCS進出が完全消滅する一戦を託した矢野監督は「西の姿を見て
、野手がどう気持ちが変わってくれるかなっていうところを期待して続投してもらっていた。
西の気持ちがみんなにつながって、勝ちにつながったのはうれしい」と、打ってもチーム初安打と奮闘した右腕に、最大級の賛辞を送った。

勝利の後の晩餐(ばんさん)がパワーの源だ。8月3日、マツダスタジアムで5勝目を挙げた夜は寿司に舌鼓を打った。
「今はお魚の気分。好きなものを食べるとリフレッシュにもなるからね」。特に気に入ったのは焼いた銀ムツ。脂身の多い白身の高級魚を食し、たっぷり英気を養った。
「(栄養は)あまり意識していないかな。体が欲しているから」。大好物が血となり、肉となり、野球への活力になる。

この日も鯉をペロリと“完食”し、対カープは今季4勝目。チームの5年ぶりの広島戦勝ち越しにも大きく貢献した。

残り5試合。「チームの兼ね合いもあるけど、次いけといわれればいく。CSの権利が残っているのだったら、いきたい」。
CS進出へ望みはわずかだが、可能性がある限り、決してあきらめない。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190922-00000031-sanspo-base
9/22(日) 7:00配信