日本側の反応は?

それに対して受け入れる日本側。観光のグローバル化によって変化を迫られている。しかし一方で、市民の意識は、まだそのスピードに追いついていないことが明らかになる事態も発生した。

2013年、ニュージーランドの先住民族・マオリの女性が、伝統的な口元のタトゥーを理由に、北海道で温泉への入浴を拒否されたことが明らかになった。

その後、観光庁は、外国人観光客の急増に伴って、タトゥーに関する整備が必要として対応を進めてきた。

2015年の観光庁による調査(約3800施設対象、回答率約15%)では、全国の56%の旅館やホテルが「タトゥー(入れ墨)」のある人に対しては入浴「お断り」としていた。31%は「お断り」としておらず、13%が「シール等で隠す」条件付きでの許可としていた。

その後、2016年に観光庁は、業界団体への通知で「入れ墨をしていることのみをもって、入浴を拒否することは適切ではない」と明言。シールで覆ったり、入浴時間帯を分けるなどして、両者が共に温泉などを利用できるよう、施設側に求めていく対応を発表した。

だが、実際の現場では「拒否は不適切という観光庁」と「不快を訴える利用客」との間で板挟みになり、対応に苦慮しているようだ。

ニュージーランド代表などが公認キャンプ地としている大分県別府市。市旅館ホテル組合連合会はラグビーワールドカップの開催を機に、別府温泉などで全面的に「タトゥーOK」とするかどうかの検討を進めてきた。

だが、3月〜6月、日本人客約2000人にアンケートをした結果、「認めてもいい」との回答はわずか12%。連合会としての全面解禁は見送った。

別府温泉では代わりに、外国人向けのサイト「ENJOY ONSEN」でタトゥーOKの入浴施設を案内。個別の施設ではOKとするところも多くなっており、100施設以上が掲載されている。

タレントのタトゥーに批判も

日本ではテレビで人気のタレントに批判が集まった例もあった。

2018年にりゅうちぇるさんが、タトゥーで妻と息子の名前を刻んだとInstagramで公表すると、批判が殺到。その後、りゅうちぇるさんは「それなりに予想はしてたけど」とあまりの殺到ぶりに驚きを表明。「こんなに偏見のある社会 どうなんだろう。仕方ないよね。ではなく、僕は変えていきたい」と自身の思いをつづっていた。