「DeNA2−3巨人」(21日、横浜スタジアム)

 巨人が14年以来、5年ぶり37度目のリーグ優勝を決めた。

 長嶋茂雄終身名誉監督も球団を通じて喜びのコメントを発表。チームに祝福のメッセージを送った。

 コメント全文は以下の通り。

 「よくやってくれた。本当によくやってくれた。愛するジャイアンツが優勝したというのに、嬉しさが込み上げて、月並みな言葉しか出てこない。
ただ、全ての試合は、ほぼテレビで観戦していただけに、話したいことは山ほどある。

 まずは、このリーグ優勝はこれまでの優勝とはまるで違うということだ。大袈裟かもしれないが、85年間のジャイアンツの歴史の中でも格別なものでは
ないだろうか。もちろん私がジャイアンツの監督をしていた時も、優勝についての思いは色々あった。それは川上さんが監督をしていた時もあったはずだ。
もちろん原監督にもあるだろう。だが、今回、私が率直に感じたこの優勝の思いとは、とにかく「意味」ではなく「意義」があるものだということである。

 5年ぶりの優勝だ。その間、ファンはどれほど待ちわびたことだろう。いいことばかりではなかった。思い起こせば、残念な出来事も少なくなかった。
ただどんな時でも、ジャイアンツファンは声をからして応援してくれた。そして、監督、コーチ、選手、裏方、フロントがチーム一丸となって、その期待に
応えてくれたのだ。意義があるとは、価値があるとか、目的や重要性があるという意である。あえてその言葉にこだわったのもそのためだ。

 原監督の苦労は察するに余りある。よくぞ、ここまでチームをまとめて導いてくれた。開幕スタートは成功したものの、5月中旬から苦しみ、3位に転落、
6月後半から再び息を吹き返した。7月中旬から連敗が続き、8月からは連勝街道まっしぐら。振り返っても、波があったシーズンであったことが見て取れる。
川上監督は“アメリカ野球”を掲げて9連覇を成し遂げたが、原監督は何を掲げてこの優勝を成し遂げたのだろうか。自ら“原野球”を確立したのではないかと
感じたほどだ。

 キャプテンである坂本君の存在を抜きには、この優勝は語れない。丸君の活躍は予想を超えたものだった。ただ私は、投の山口君の健闘を称えたい。
今だから言える話だが、一昨年、謹慎が決まった直後、私は彼に電話をした。じっとしていられなかったからだ。伝えたことは、一つ。
「とにかく、くさるなよ。辛抱だ」だけだった。そんな山口君も期待に応えてくれた。原監督の胴上げを見ていたら、また嬉しさが込み上げてきた。

デイリースポーツ
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