>>681
松武さんがアレンジをしたとかではなく、楽器がある程度弾けてアレンジなどの
音楽製作過程を知っているということで、それらの知識がある技術屋さんだったことが重要です。

YMOがやっていることをその場で見て理解でき、やって欲しいと思っていることを察知して
的確に素早く、時には期待されていたこと以上の結果を実現できる技術屋さんだったのです。

松任谷正隆さんが技術屋さんということだけで雇った人は、ミュージシャンの感覚とか言語を
全く知らなかったので意思疎通ができず、ただ機械を操作するだけの人で役に立たなかったのでしょう。
クライアントがやって欲しいと思うことを理屈抜きでやってあげられるかが仕事では重要なのです。

YMOも愛用したリンドラムというドラムマシンがありますが、制作したのは専業技術者ではなく、
お金のないミュージシャンがデモテープを室内で作りたくて技術をちょっと勉強して作ったものだそうです。

試行錯誤して設計するのに、学んだ技術の理論や理屈ではなく自分の耳とミュージシャンとしての
感覚をたよりに仕様を定めたそうです。専業技術者から見たら欠点だらけの機械に見えたであろう
リンドラムは、生音が鳴るというだけでなくセンスの良い機械として熱狂的に迎え入れられました。