前戦スパラウンドでアントワーヌ・ユベールが亡くなった事故から1週間。レースの安全性に関する様々な議論がなされる中、ユベールへ捧げるモンツァラウンドのレース1(30周)が始まった。

 日本勢は松下信治(カーリン)が6番グリッド、佐藤万璃音(カンポス)が15番グリッドからのスタートとなった。

 スタートで良い蹴り出しを見せたのは松下だ。カラム・アイロット(ザウバー/チャロウズ)がホールショットを奪う中、3番手にポジションを上げた。

 アイロットは直ぐに先頭でペースを上げ始める。そして松下はここでポジションをひとつ上げて2番手に浮上。前のアイロットを追った。

 2周目のターン1でルイ・デレトラ(カーリン)がジョーダン・キング(MPモータースポーツ)と接触しコースオフ。マシンが止まってしまい、そのままリタイアとなった。さらにニック・デ・フリーズ(ARTグランプリ)もターン1でまっすぐ飛び出し、コースオフを喫してしまった。

 3番手のセルジオ・セッテ・カマラ(ダムス)とニコラス・ラティフィ(ダムス)がチームメイト同士で激しくバトルを展開。テールトゥノーズ状態でのバトルが続いた。

 松下は5周目のターン1から果敢にチャージを開始。ターン6でアウト側から並び、そのままアイロットを抜き去って反撃を許さずに先頭に立った。松下にオーバーテイクを許したアイロットは一気にギャップを広げられてしまい、6周目には2秒ほどの差がついた。

 後方では、第2シケインでタチアナ・カルデロン(アーデン)がスピンを喫しコースオフ。マシンが止まってしまったが、セーフティカーではなくイエローフラッグで処理されることとなった。

 そして7周目、タイヤ交換が可能となったタイミングでアイロット、セッテ・カマラ、周冠宇(ユニ-ヴィルトゥオーシ)といったドライバーらがタイヤ交換を行った。

 次周には松下もピットイン。ミディアムタイヤへと履き替えて、実質トップとなるアイロットの前6番手でコースへ復帰した。なお10周を終えた段階でピットストップ義務を消化していないのはルカ・ギオット(ユニ-ヴィルトゥオーシ)を先頭とした5台だ。

 実質トップの松下はアイロットに若干差を詰められてしまい、一時は3秒近くあったギャップが1秒ほどに縮まった。

 13周目にはラティフィと周がターン4で接触。ブレーキングで並びかけたところ、周のリヤタイヤにラティフィのフロントウイングがヒットし、タイヤがバーストした周はリタイア。ラティフィはピットへ戻りノーズを交換してコースへ戻った。

 ここでレースは半分を消化。松下はアイロットに1秒以下の差まで接近を許してしまうが、なんとか抑え続けてそのまま周回を重ねた。

 18周目にデ・フリーズと争う中、ターン1のシケインでオーバーランを喫してしまったセッテ・カマラに対しては、5秒のタイム加算ペナルティが通知された。

 20周目、先頭を走っていたギオットがピットイン。先頭に立ったキングと続くエイトケンはピットイン義務を消化していないため、実質的には松下がトップだ。

 22周目にはキング、23周目にはエイトケンがピットイン。松下がトップに返り咲いた。松下はこのあたりから徐々にアイロットに対するギャップを広げつつあり、1.7秒まで広げた。

 しかし23周目、松下のマシンにまさかのトラブルが発生。左側のサイドポンツーンからパーツが剥離してしまった。ただそれでも2番手のアイロットは松下との差を縮めることはできず、むしろ3番手のデ・フリーズに迫られてしまう。

 松下は25周目にはアイロットとの差を3秒以上にまで広げ、優勝に向けての足場を固めつつあった。

>>2以降に続きます


9/8(日) 1:23配信 motorsport.com 日本版
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