https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190824-00000004-friday-ent
吉本興業「闇営業監視人だった」元マネージャーが決意の告白

ブラック企業吉本興業の実態社長にはビンタをくらった
「芸人というのはな、商売道具のオモチャやから。お前が出世するための道具と
して使っていったらええんや。ボロ雑巾みたいに使えばいい」
焼き肉店で食事をしていると岡本(昭彦)社長は、私にそう言い放ち、
「一部のメンバーにだけ気を遣ったらええんや」
と付け加えました。すると同じテーブルにいた幹部たちは大爆笑したのです。
この時から上層部に対する私の不信感が芽生えていきました。
<本誌の取材に対して、吉本興業元社員の男性A氏は、苦渋の表情を浮かべな
がらこう語り始めた。
A氏はかつて吉本興業のエリートマネージャーとして、日本人なら誰でも知って
いるような売れっ子芸人を何人も担当してきた人物。そんなA氏が、「闇営業」
問題で揺れる吉本興業の「真の姿」を多くの人に伝えるべく、重い口を開いた。>
岡本社長の記者会見をテレビで見て、私は開いた口が塞がりませんでした。
「吉本興業は全員がファミリー」と言っていましたが、あまりにも空々しい。
社長はカメラの前だけ耳当たりのいいことを言って、本当は芸人さんたちを見
下していた。そういう姿勢に私は憤りを感じました。
岡本社長が「芸人はオモチャ」と発言した焼き肉店での会食で、「さあ喰え、
さあ喰え」と私は大量の焼き肉を食べさせられました。ご飯はマンガのような
大盛り。肉は次々と鉄板の上で焼かれていったのです。
「吉本で働くには会食も大事だから鍛えなアカン。藤原(寛・副社長)なんか
一日7回の会食を乗り越えてきたから出世したんやぞ」
と社長からは言われました。
私はこの日は朝から体調が悪く、なかなか箸が進まず途中でトイレに立ちまし
た。席に戻ると、岡本社長は私に向かって、
「お前、食えるって聞いとったぞ。なんで食われへんねん」
と絡んだあげく、あろうことか頬をビンタしてきたのです。社長がすぐ手を出
すことは社内で有名でしたが、いい大人が肉を食わないからという些細(ささ
い)な理由でビンタされるとは。やはりショックでした。
こうしたパワハラ行為は社内では日常茶飯事で、私はどんどん精神的に追い詰
められていったのです。
多くのマネージャーは毎週月曜日に、前週1週間の勤務内容を上長に報告し
ます。朝はスポンサーと打ち合わせ、昼間は収録の立ち会い、夜にはデスク
ワーク。月の労働時間は300時間を優に超え、一年にとれる休日は1週間も
ありませんでした。だからどうしても労働基準法を守っていないスケジュール
になってしまいます。
しかし、会社としてはそれじゃまずい。だから、上長から勤務記録の書き直し
を指示されました。働いていた日を「休み」に変えろと。月に1日も休んでい
なくても、8日間の休みがあったと記入しなければ上長のOKが出ませんでした。
岡本社長、大ア会長、松本さんのラインに気に入られなければ、社内で出世も
望めません。それもあって30歳前後で同期の半分以上は辞めてしまい、中堅の
人気芸人さんと対等に付き合える30〜40代の社員が少なくなる。20代の社員
は芸人さんと会社の板挟みで、本当に苦しんでいると思います。
私自身、上長から恒常的にパワハラを受けていましたが、相談できる人は社内
に一人もいませんでした。上長からは私物のカバンやパソコンを投げ捨てられ、
「お前、会社から消すぞ」と恫喝(どうかつ)されたこともあります。吉本に在
籍していた当時はストレスで血尿が出たり、円形脱毛症になったりしました。
こういったことの積み重ねで、追い詰められていきました。