9日放送の日本テレビ系スッキリ」(月〜金曜・前8時)で吉本興業がタレントとの新たな契約手段として「専属エージェント契約」を導入することを報じた。

 8日、東京・新宿の同社東京本部で有識者による第1回経営アドバイザリー委員会(座長=国際医療福祉大・川上和久教授)が開催され、新たな契約形態の決定に至った。

 エージェント契約は、欧米で普及している契約制度。事務所は営業活動は行うが日程管理や送迎、マネジャー業務などのマネジメントは行わない。事務所とタレントの関係は対等で、仕事を選ぶこともできるため自由度が高くなる。契約に応じてタレントが手数料を事務所に支払う仕組みだ。郷原信郎弁護士は「自分の名前で仕事が取ることができる大物のタレントには有利な契約になります」と説明する。

 今まで口頭のみで契約書が存在しないとして問題視された契約問題に関しては、全タレントとコンプライアンス順守などを求めた共同確認書を交わす方針であることを報告。共同確認書をベースにしてギャラの取り分などを記した「専属マネジメント契約」と、「専属エージェント契約」を用意する。タレントが自分の意思で選択できるようにするといい、委員会も了承した。

 今後、吉本は公式サイトに掲載されている約1300人のタレントと専属契約を進めていく。川上座長は「大変な作業だが個々のニーズをくみ取り、タレントが不安にならない形でやってほしい」と期待した。

 反社会的勢力の完全排除については、吉本は取引相手の年間6000件の属性調査を行っているという。川上座長は「根絶は難しい問題だが不断の努力が必要」としている。

 こうした方針を受けMCの加藤浩次は、闇営業を巡る一連の騒動で、所属する吉本興業の幹部を批判、退陣を要求してからこれまでの心境を吐露した。

 退陣要求を発言したことに「ウソはないしその時は本心でそう思っていました」と明かした上で一連の報道を「傍観してました。そこに対しアレって思うこと何箇所もありました」とした。

 その上で「スッキリ」で「辞める」発言をした22日の放送直後にダウンタウンの松本人志から電話をもらったことを明かし「加藤の気持ちもわかる。松本さんから吉本を変えていかないとアカンな」と言われたという。こうした経緯から「僕が乱を起こすみたいなことはまったくなかったんです。報道番組ですら対決構造を使ったフリップで話している。これはどういうことなんだろうと疑問に思うこともあった。自分がこうなったらいけないとマスコミの動きを見ていました」と振り返った。

 加藤は7月23日に大崎洋会長(65)との会談したが話し合いは平行線に終わったことを明かしたが、その後、松本から「オレは吉本の芸人1人もやめないで改革したい」と言われ、加藤は「僕の言った発言は一人で気持ちいいかもしれない。松本さんの発言で変化がありました。じゃあどうしたら吉本に残りながら改革できるんだろう。エージェント制度は僕が思いつきました。海外を見るとタレントは雇用主なんです。吉本は僕たちは非雇用主です。ここを替えられないかな。吉本と対等に契約できないかなといろんな人に相談しました。エージェント契約で残る気持ちはあります」と明かし、エージェント契約が正式に導入されれば吉本に残る方針を明かしていた。

 この気持ちを松本に伝えると「エージェント契約なら残る気持ちあるんやな」と言われ、松本が大崎会長に加藤の思いを伝え、今月6日に大崎会長と2回目の会談を行ったことを明かし会長にも「こういう形なら残る選択肢を考えています」と伝えたという。

8/9(金) 8:36配信
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