今の環境は「ある意味ヤバイな、と」井手口陽介が悩み抜いて海外へ

「2016年の後半戦から、コンスタントに試合に絡めるようになってきた中で、正直、去年の夏頃から日本でプレーする自分に疑問を持ち始めました。
というのも、Jリーグの上位クラブと戦うときは別として、それ以外の試合ではなかなか『やりきった感』を持てなかったから。というか、ほとんどの相手に対して、明確な『やれる』という自信を持てているのはある意味ヤバイな、と。

これは日本代表に選ばれるようになり、国際試合の経験が増えたことも理由のひとつだと思います。日本代表に行けば試合はもちろん、練習をしていても自然と自分に緊張感が生まれ
『もっと、やらなアカン』とか『まだまだ足りない』と思えるけど、チームに戻るとなかなかそれを感じられなくて。もちろん『代表で感じた経験をチームの練習でも生かそう』とか『課題に感じたことは、チームで克服しよう』とは思って、練習に臨むんですよ。

でも正直、去年の後半は、自分が仮にそう思わなくても……つまり、普通にプレーしていてもやれてしまう状況でしたから。少し言い方は悪いけど、そういう”ぬるい”環境でサッカーをしていて成長できるのか、を考えたときに、違うなと。

これまでの自分のサッカー人生を振り返っても、ガンバでも常に”飛び級”で育ててもらい、自分が敵(かな)わないと感じる人たちの中でプレーできたことで今の自分がある、と考えても、
このまま自分が”普通にやれてしまう環境”でプレーするより、”もっと、もっと”と自分のケツを叩かなければプレーできないような環境でプレーするほうが、間違いなく成長できると考えた。