久保建英のレンタル獲得オファーを提示した“リーガ1部・5クラブ”とはどこなのか

老舗のスペイン専門誌がすべてのクラブ名を公開

スペイン国内でも、日本のワンダーキッドを巡る報道が過熱している。

今夏にレアル・マドリーに入団を果たした日本代表FW久保建英。
7月9日にトップチーム合流を果たすと、カナダ合宿で溌溂としたプレーを披露し、
北米&ドイツ遠征ではプレシーズンマッチ4試合で鮮烈なパフォーマンスを連発した。
この1か月弱の期間、久保の株価と声価は日増しに高まり、スペイン・メディアが連日のごとく特集記事を掲載すれば、マドリー・ファンもその18歳とは思えない堂々たる立ち居振る舞いに、感嘆の声を上げている。


そして目下、注目を集めているのが久保の“進路”だ。ジネディーヌ・ジダン監督は水曜日のアウディ・カップ3位決定戦(フェネルバフチェ戦)の試合後、
会見で「カスティージャ(Bチーム)でプレーさせながら、トレーニングは我々(トップチーム)と積む。そこで様子を見ようじゃないか」と、みずからの青写真を明かした。

これを受けてスペイン全国紙『MARCA』はファンへのアンケート調査を実施。久保に相応しい舞台はどれかと、「トップチーム」「カスティージャ」
「1部の他クラブへのレンタル」の三択で問い掛け、それぞれ53%、9%、38%という結果を得た。投票総数23万7477票は、侮れない数字だろう。ファンの大半は、久保に「トップリーグでプレーしてほしい」と考えているようだ。

さらに『MARCA』紙は、「クボに対して、1部の5クラブからローン契約の正式オファーが届いている」と伝え、「そのなかのひとつは、(元ブラジル代表FWの)ロナウドがオーナーを務めるバジャドリーだ」と報じた。
“怪物”ロナウド自身が久保の才能を高く評価しているようで、古巣であるマドリーのフロレンティーノ・ペレス会長とは、いまでも厚い信頼関係で結ばれている。同紙は「新たな攻撃の軸が欲しいバジャドリー。ファンも(久保の獲得に)期待を寄せている」と綴った。

そして1975年に創刊され、現在は電子版で情報を発信しているスペインの老舗専門誌『DON BALON』も呼応。バジャドリー以外の気になる4クラブの実名を載せ、久保の置かれた現状を分析している。

「ベイルやイスコよりオファーが多い」と皮肉も

まず『DON BALON』誌は「マドリーのプレシーズンにおける最大の発見は、タケフサ・クボだ」と評し、「プレーの質、戦術眼、連動性、確固たる自信……いずれも素晴らしい。誰もが一見するだけで虜になってしまうプレーヤーだ」と称えている。

そのうえで同誌は、全治6か月以上の大怪我を負ったマルコ・アセンシオに触れ、久保と同じ右サイドでの起用が濃厚なヴィニシオス・ジュニオール、
ルーカス・バスケスのふたりがジダン監督の信頼を失いつつある点など、独自の見解を織り交ぜながら論調を展開。「もはやクボはカスティージャとともに3部リーグでプレーするレベルではない。
トップリーグで活躍できる選手で、本来なら右サイドでの出場が望めるはずだ」と言い切る。

しかしここで壁となるのは、マドリーのEU外選手枠だという。

現時点ではフェデリコ・バルベルデ(ウルグアイ国籍)、エデル・ミリタン、そしてヴィニシウス(ともにブラジル国籍)の3選手で枠を埋める見込みだ。
ただ、近日中にもバルベルデがEUパスポートを取得できる予定で、同誌はその1枠が、久保と同い年で今夏加入のロドリゴに与えられると見ている。「獲得に4500万ユーロ(約57億円)を投じた選手。ペレス会長が押し切るに違いない」という理由でだ。

となれば、「クボが丸1年間、トップリーグでプレーできない可能性がある」とし、「ローン移籍が彼にとってもマドリーにとっても実り多き選択肢となるのではないか」と投げかける。そこで紹介されたのが、マドリーに正式オファーを出している5クラブの実名だ。

同誌は「レバンテ(昨季15位)、エスパニョール(昨季7位)、バジャドリー(昨季16位)、マジョルカ(昨季2部・5位/昇格プレーオフ優勝)、ビジャレアル(昨季14位)が名乗りを上げている」と書き綴り、「ガレス・ベイルやイスコへのオファーよりも多い」と皮肉った。

いずれもラ・リーガを代表する伝統的な中小クラブで、もし久保が加わることになれば、2019−20シーズンを通して主軸を張れる公算が高いが──。ここから先は仮定の話でしかない。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190803-00010000-sdigestw-socc&;p=2