当初の予定では30日に判決が下されるはずだった。検察側が変更を請求したといい、小嶺の弁護人を務める望月宣武弁護士はツイッターで「捜査機関のミスが原因で、無罪判決になりかねないことが判明したからです」と暴露。いったい何があったのか――。

法曹関係者は「初公判の期日が変更になることは多々あるが、判決公判の延期は極めて異例。
事件の審理は初公判で終わっており、あとは裁判長が量刑を言い渡すだけ。それを延期とするのだから、よほどのこと」と語る。
どんなミスかについて検察は「捜査や公判に関わることなので答えられない」とした。

元大阪地検特捜部主任検事の前田恒彦氏は、自身のニュース記事で「考えられるのは、起訴された所持量と鑑定書に記載されている所持量が違うとか、大麻の共同所持を裏付ける証拠が弱く、裁判官が女性の単独所持という心証を抱いているとか
大麻を押収した手続に問題があって証拠から排除すべきだと考えているとか、大麻没収の前提としてそれが誰のものか証拠で詰め切れておらず、2人から没収してよいのか迷いがある、といった点です」と推察した。

望月氏はこれを踏まえてツイッターで「前田さんの分析はいつも的確で鋭いですね。ただ、今回は裁判所が促したわけではないです」ともつぶやいた。

 本紙が接触した関係者は「事件の証拠品として検察が裁判所に提出した物証の中に不備があり、補充捜査が必要となった」と話している。具体的にどの物証かは定かではないが、前出の望月弁護士が「無罪判決になりかねない」というのだから、検察側の大チョンボ。

前出法曹関係者は「あくまで臆測だが…」と前置きした上でこう語る。

「公判維持できないレベルならば、押収した乾燥大麻に関する何らかの不備が生じたと見るのが妥当。物証を紛失したのか、それとも実は大麻ではなかったのか。2人の尿から出た大麻反応が実は違った、もしくは検査方法が不正確だったということも考えられる」

 いずれにしても、前代未聞の検察側の大失態。関係者は「これで公判維持できずに無罪となれば、検察組織の威信が揺らぐ。担当検事は全員“懲罰異動”となるでしょう」と話す。検察が延期する期間にリカバリーできるかが注目だ。