7/24(水) 11:45配信
デーリー東北新聞社

 野球に全てを懸けた3年間。自分たちの選んだ道は間違っていなかった―。23日に行われた第101回全国高校野球選手権青森大会決勝で勝利し、春夏通算20度目の甲子園出場を決めた八学光星。スタンドでは、高校最後の夏にベンチ入りがかなわなかった選手たちが懸命に声援を送った。中には厳しい競争を覚悟しながら「自分の力を試したい」と、強豪の門をたたいた県内出身選手の姿も。それぞれが、努力し続けた3年間に思いを巡らせながら「甲子園でも仲間を全力でサポートする」と新たな決意を固めた。

 応援団長を務める山市敦也さん=田子中出=はこの日、大勢の部員をまとめながら、人一倍声を張り上げた。試合展開に応じた応援歌の選曲や歌い始めるタイミングなど、判断が難しい場面もある。

 試合前には、緊張していた島袋翔斗選手を鼓舞し、気合を入れてあげた。最後の夏にベンチ入りはかなわなかったが、「頑張ってきたことが社会に出て通用したらうれしい」と額の汗をぬぐった。

 工藤力丸さん=白銀中出=は、憧れの兄の背中を追いかけて入部。当初、光星進学への意思を伝えると、「お前には無理」と反対されたが、実力を試したい―との思いが勝った。

 寮生活では、練習だけでなく、早起きなどの生活面でも苦労したが、「この3年間は野球に全てを懸けた。全てに納得して仲間を応援できる」と、笑顔でスタンドを盛り上げた。

 甲子園への憧れから、強豪の門をたたいたのは、榎本龍太さん=道仏中出=。つらい練習も「やり通すと自分で決めたから、あきらめない」と自分に言い聞かせて乗り越えた。

 小、中学校の同級生で、ベンチ入りした大野僚磨選手の存在が「自分も頑張ろう」と刺激になった。

 投手の工藤蓮さん=天間舘中出=は、けがに泣いた。今春は主力選手と共に遠征して好投、夏のベンチ入りも視野に入れたが、5月下旬に右肘を痛めた。悔しい気持ちもあるが全国から集まった大切な仲間と、少しでも長く野球をやることが今の1番の願いだ。

 閉会式後は、仲がいい近藤遼一選手からメダルを首にかけられ、頬を緩ませた。「甲子園にはチーム一丸で乗り込む」と次の舞台へ意気込んだ。

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