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 さて、これから事態はどう進むのか。ジャニーズ事務所は公取委の注意が発覚したあと、こう声明した。

「今後は誤解を受けないように留意したいと思います」

 ある民放幹部も「ジャニーズ事務所から圧力を受けたとは聞いていない。ただ忖度していたかもしれないので、今後は気を付けないと」と話している。双方が変わり始めるので、SMAPの元3人を含め、「ジャニーズ事務所をやめたら、テレビに出られなくなる」という仕組みは徐々に崩壊するだろう。

 すると、「帝国」とすら呼ばれきてたジャニーズ事務所も大きく揺らぐに違いない。独立希望組を思いとどまらせている枷を失うのだから。

 この民放幹部が気にするのは、ジャニーズ事務所との今後の付き合い方である。

「ジャニーズ事務所の番組担当者たちは中元、歳暮の時期に、デパートなどが発行するオーダー紳士服のお仕立て券などをもらっています。はっきりとした金額は分かりませんが、社会通念上、中元や歳暮として許されるものなのかどうかも考えなくてはならないかと思います」(同・民放幹部)

 民放もジャニーズ事務所も民間企業であるので、中元・歳暮などで贈収賄などの問題は生じない。ただし、それによって番組担当者がジャニーズ事務所を忖度する気持ちが強まっているとしたら、問題だろう。

 総帥のジャニー喜多川さんを喪ったばかりの帝国が、はやくも窮地を迎えた。

鈴木文彦/ライター

週刊新潮WEB取材班編集
2019年7月20日 掲載