日本女子バスケットボールのエース、渡嘉敷来夢(28=JX―ENEOS)が東京五輪へ向けて「天下無双」となる。

 16日、東京・味の素ナショナルトレーニングセンターで女子日本代表合宿が公開され、両足首の故障などでリオ五輪以来のメンバー入りとなった渡嘉敷も元気な姿を見せた。

 近年のバスケットでは「センターでも3ポイントが打てないと生き残れない」という変化を感じた渡嘉敷は、外角のシュート力を磨くとともにスピードの底上げを図った。もともと身長193センチの大型選手としては動ける部類だが、所属チームではなんと161センチの岡本彩也花(28)を相手に、渡嘉敷が常にディフェンスをする1対1をやってもらったという。

 バスケは基本的に背が高いほうが有利。だが小柄で速い選手はあえて大きい選手に守られるように仕向け、素早い動きで振り切ってシュートにつなげる「スピードのミスマッチ」をつくることもある。渡嘉敷はこれをやられても長身を生かしたシュートブロックで対抗してきたが、シュートを打たれる限りは得点される可能性がある。

 何より身長が弱点に変えられるようなプレーは「嫌い」とプライドが許さない。ならばスピードでも対抗できるようにしてシュートも打たせない、との発想で自分より32センチも低い岡本相手に猛練習を積んだ。「これができれば『無敵』になれる」と、190センチの肉体に160センチのスピードを身につければ世界を相手にしても「敵なし」になれるというわけだ。

 こう言い切る先にあるのは、もちろん1年後の東京五輪。「もうメンバーからは外れません!」との言葉が頼もしい。


2019年07月17日 16時30分
https://www.tokyo-sports.co.jp/sports/basketball/1475373/