◆報知新聞社後援 プロボクシング ▽WBA世界ミドル級(72・5キロ以下)タイトルマッチ 王者ロブ・ブラント―同級3位・村田諒太(7月12日、エディオンアリーナ大阪)

頼むぞ、村田! ダブル世界戦(報知新聞社後援)は12日、エディオンアリーナ大阪でゴング。
11日は大阪市内で計量が行われ、前WBA世界ミドル級王者・村田諒太はリミットより200グラム軽い72・3キロ、王者ロブ・ブラントは300グラム下回る72・2キロでパスした。
1年3か月ぶりとなる国内での試合へ「僕にはプレッシャーが必要」と自ら観客の期待を背負い、「絶対に勝ちます」と宣言。ボクサー人生をかけ、運命の再戦に進む。

集大成の大一番は目の前だ。村田はブラントが先に計量をクリアしたことを確認すると小さく拍手した。
100人を超える報道陣の前で、自身も72・3キロでパスするとガッツポーズ。
すぐにブラントと約20秒にらみあった。目線を外した後、少しだけ表情を崩して握手。一つ一つの所作を楽しんでいるようだった。
「相手もパスしてくれたのはうれしい」。最初のハードルを越えた安堵(あんど)感と、宿敵への感謝まで口にした。

昨年10月の米ラスベガスでのブラント戦の前日計量を振り返り「相手にイラついて『KOする』と宣言もした。
今回はイラ立ちもなく落ち着いている」と明かした。その背景にあるのは自信だ。
「今さら格好付けることも、虚勢を張る必要もない」と淡々と話した。

国内での試合は昨年4月以来、1年3か月ぶり。奈良出身の村田を大阪で一目見ようと多くの知人、友人が集まる。
「敵地や第三国での試合でパフォーマンスが悪い原因を何かと考えると、日本よりお客さんが少ないとか、プレッシャーから解放されていることにある」と自己分析した。

4月25日の再戦発表会見で「最後になるのか、もっと見たいと言ってもらえるのか、ジャッジされる」と単なる雪辱戦ではなく、進退をかけた一戦と位置づけた。
この日は「国内で試合をするプレッシャーは僕にはすごく必要で、それを感じている。その方がいい」と言い切った。重圧を燃料に変え「リングの上ですべて爆発させる」と予告した。

だが、このミッションは過酷だ。英国のブックメーカー「ウィリアムヒル」の勝敗オッズ(11日夕時点)はブラントが1・28倍、村田が3・5倍で推移。
また、王座を奪われた相手からベルトを取り戻せたのは、国内では1970年代に活躍した元スーパーウエルター級王者の輪島功一と、05年に川嶋勝重に雪辱した徳山昌守の2人しかいない。

それでも村田は揺るがない。
「プロに来て、これだけ自信があるのは初めて」と胸を張れるレベルまで己を高めた。
「絶対勝ちます。絶対勝たなきゃいけない試合なので」と締めた。

12年ロンドン五輪でミドル級を制し、日本人で初めてプロでも世界王者となる偉業を遂げた。
不可能を可能にする。それが村田諒太だ。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190712-00000033-sph-fight
7/12(金) 6:03配信

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