26日、中日のドラフト1位ルーキー・根尾昂(19)のフレッシュオールスター(7月11日=楽天生命パーク宮城)出場が発表された。高校時代にしのぎを削った日本ハムの吉田輝星、ロッテの藤原恭大、広島の小園海斗も選出され、メディアは「高校BIG4が再結集!」と騒いでいるが、その「BIG4」の中で一軍出場がないのは根尾のみ。最強・大阪桐蔭の二刀流選手として甲子園を沸かせ、昨秋ドラフトで4球団が競合した年代最高のエリートが後れを取っている。本人や小笠原二軍監督に話を聞き、黄金ルーキーの「現在地」を探った。

■「才能だけでプロ入り」

 日が暮れた後、寮に隣接する室内練習場から「カーン」と乾いた打球音が聞こえてくる。

「やってますか?」

「まだやってるよ」

球団スタッフがすれ違いざま、感心しながらこんな会話を交わすのは日常的光景だという。

話題の主は根尾だ。

入寮から5カ月。黄金ルーキーの一日は長い。朝のラジオ体操に始まり、22日の広島戦後にはコーチと数十分間の特守。
ときに帽子を飛ばしながら、ボールに食らいつく。その後はウエートルームで体づくりに努めた。
寮にいるときは、毎日のように夕食前後に室内練習場で打ち込みをする。

26日現在、ファームでは55試合に出場し、打率はリーグワーストの.160(1本塁打、13打点)で、67三振はリーグ最多。
プロの壁に直面する根尾について、小笠原二軍監督はこう言う。

「いろんなことを愚直に吸収しようという向上心は見えます。ひとことで言うと、徐々に階段を上っている。でも、まだ開幕して3カ月。
劇的に変わったわけではなく、まだ“産毛が生えた程度”です。持っている才能だけで(プロに)入ってきたところもあるので、それをベースに大きく育ってくれたら。
今は土台づくりの時期。打撃、守備、走塁の基本はもちろん、基礎体力や、感覚だけに頼らない体の使い方も勉強していかないといけない。
打撃は今は(疲れで)スイングスピードが落ちているが、当てにいくことなく確率を上げることが大事。
将来的にホームラン打者になるのか、アベレージ打者になるのか、今はどちらとも言えない。土台がないと方向性は見えませんからね」

石井二軍打撃コーチは成長の跡をこう見る。

「高校時代は投手もやっていて、プロに入って野手に転向したようなもの。当初はとにかく振ってやろうという感じで、
体が反り返って打っていたが、打つポイントがより体の前になってきて、自分のポイントで捉えようという意識が出てきた」

■最多67三振の打撃を自己分析

根尾が言う。

「当初は自分がこうしたいということがありましたけど、今はできることにフォーカスして。
いきなり難しい球を捉えるレベルまで求めてしまうと、どうしても捉えきれないことがある。
打てる球をしっかり確実に仕留めきることが第1段階。初球から打ちにいって安打になることもあれば、ストライクからボールになる球を空振りすることもある。
振りにいけている面は全然マイナスではないですが、打てる球というか、ストライクゾーンの低い球でも際どい球でも、打ち終わった後に捉えきれたと言えるようなスイングが増えてきたらいいなと思います。
やっぱり仕留めないと(相手にとって)怖くないので、仕留める力は練習で上げていくしかありません」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190628-00000007-nkgendai-base
6/28(金) 9:26配信