JRA
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https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190616-00000000-sph-horse

RAは15日、禁止薬物が含まれた馬用のサプリメントを摂取した可能性があるとして、
15、16日の東京、阪神、函館競馬に出走予定だった計156頭の競走除外を発表した。
当該の飼料添加物「グリーンカル」は、
昨年12月〜今年5月の販売分までが禁止薬物の陰性を確認する検査を経ないまま28厩舎に流通していた。
JRAはこの日、各競馬場で緊急会見を開くなど対応に追われた。

前代未聞の大量競走除外が中央競馬で起きた。
対象となったのは競走馬の飼料に混ぜるカルシウムサプリメント「グリーンカル」を摂取した可能性がある156頭。
15日の開催で72頭、16日の開催では84頭。
この飼料には競馬法上の禁止薬物「テオブロミン」が含まれていることが、前日14日の検査で判明していた。

 開催中止とはせず、JRAは土日に予定通りに行うことを決断。
この日、東京、阪神、函館の3場で緊急会見が開かれた。
阪神競馬場で事情を説明した裁決委員の伊藤忍氏は
「昨日、複数の調教師から公正室あてに『飼料に禁止薬物が含まれているとの検査結果が出たので
業者が回収したいと言っている』と問い合わせがありました。
日本農産工業株式会社から競走馬理化学研究所に検査依頼があり禁止薬物が判明しました」。

判明は競馬開催前日の金曜夕方だったため、全156頭に薬物検査を行う時間の猶予はない。
疑いのある全頭が競走除外になることは前日から分かっていたはずなのに、
除外になる馬の夜間インターネット馬券発売を続け、ファンにホームページで発表したのは土曜の午前6時半だった。
公正確保と言いつつ、ファンに対しては公正どころか、あまりに不誠実な対応だったと言わざるを得ない。

 「グリーンカル」は何十年も前から流通している製品で、これまでは当然ながら検査もクリアしていた。
なぜ未検査の製品が昨年12月から今年5月まで流通していたのか、なぜ禁止薬物が混入したのかは、現時点では不明だ。
「検査済みでないものが出回っていたのが一番の問題。以降はより厳格に、取扱業者の製品をチェックする」と伊藤氏。
この6か月間、レース後の尿検査で禁止薬物が検出された馬は出ていないというが、
“薬物汚染”の危険性を放置したままレースを行っていたことになる。

 今回、該当する全156頭の検査は行わないが、来週、出走予定のある馬については15、16日の2日間で検査を行う。
来週23日には上半期のクライマックス、宝塚記念(阪神)が開催されるが、G1への出走予定馬も検査で陰性ならば出走できる。
再来週以降の出走馬については、代謝により10日間ほどで薬物が検出されなくなるため、検査は行わないという。
何もかもが謎に包まれたままの騒動。公正競馬への信頼は大きく揺らいだ。

日本農産工業(株)経営企画室「このたびの事態につきましては、お客様、関係各位ならびに競馬ファンの皆様に多大なご迷惑、
ご心配をおかけしたこと、深くおわび申し上げます。徹底的な原因調査を行い、再発防止に努める所存です」